第2話
東京新宿にDEMA襲撃からわずか15分。
新宿は救援が来ない状況で多数のDEMAの尖兵に住民は惨殺されていく。
春樹「や、やべぇよ」
教室は新宿方面の混乱に気が付いた生徒達が騒ぎ始める。
理沙「ねえ流星…」
理沙が流星の裾を掴む。目が恐怖に染まっているのが分かる。どうしてか理由なんて分からないがこの教室、学校で今一番強いのは自分のはずだ。
(もしこっちまで来たら俺がやらないとみんな死ぬ。俺が守らないと・・・)
学校がある有楽町から新宿まではまだ距離がある。
これなら避難の時間はあるはず。
生徒達「お、おい・・・!あれ」
窓からすぐ真上を指差す方向を向くと、学校の上空に巨大な黒い穴が現れたのだ。
そこからゆっくりと銀色の巨大な尖った脚と人間大、人型の機械人形が10体出現した。
流星「春樹!理沙!外に逃げるぞ!」
2人の手を取って教室から走り出した。
突然のDEMAの襲来に校舎内は大混乱になっていた。
いち早く校舎の人に出ようと人が我先に出口に押しかけてきており渋滞して外に出る事が出来ない。
「キャアアアア!」
叫び声の方向を見るとDEMAの人型マシーンが出口にも回り込み、出ようとした生徒を腕のブレードで刺殺している。
理沙「り、流星・・・」
理沙と春樹は恐怖のあまり動けない。
ふと昔の記憶が頭をよぎる。
???「その力は神様から授かったものだ。使いこなせばきっと役に立つ」
あれは昔の記憶。まだ俺が小さかった時。白衣の男が確かそう言っていた。朧げな記憶だし訳が分からなかったけど、今なら意味が分かるかも知れない。
(そうだ。俺の力は普通じゃない。でも普通じゃないからみんなを護れるんだ)
〜VS DEMAマシーンヒューマンタイプ〜
流星「人相手の喧嘩じゃ思いっきりなんて殴れないからな!たまには思いっきりブン殴る」
流星は左手を前に右手を後ろに溜めて空手に似た構えをとる。
1人前に出てきた流星に対してマシーンは狙いを定めた。
「キシャアアア!」
機械音のような奇声を上げて腕のブレードを振り上げて近付いてきた。
流星(両腕が刃になっていて手がない。とりあえず掴まれる心配は無さそうだから)
ブレードを振り下ろした瞬間!
流星「懐に入って思いっきり殴る!!」
マシーンの胴体に右ストレートを思いっきり叩き込んだ。
流星が全力で放ったパンチでマシーンの装甲が凹み、体勢が崩れる。そのまま腕を伝い首に組み付いて渾身の力を込めて引きちぎると動きが停止した。
春樹「すげぇ。流星が強いのは分かってたけどまさかDEMAに素手で勝つなんて」
流星「い、いや・・・」
守る為に必死になっていたとはいえ、まさか自分の力がこんなに強いなんて思いもよらなかった。
ましてやマシーンの装甲なんて初めて触ったけど鋼みたいに硬くてこんな物を破壊したなんて信じられない。
自分は一体何だ?みんなとは違う何かなのか?そもそも人間か・・・?
理沙「り、流星?」
理沙が不安そうに顔を覗き込んでいる。
(そうだ。俺はみんなを守らなきゃ)
ふと我に返りマシーンが居なくなった校舎の出口を見る。
すると自衛隊の装甲車とトラックが校庭に何台も雪崩れ込んで来た。
車から武装した兵士が次々と降りてくる。
こちらに気が付いた兵士が駆け寄って声を掛けてきた。
「急いで車に乗って!市民の方々はすぐに避難してください!」
春樹「行こう!このままじゃアイツらに殺されるだけだ」
理沙「流星も・・・来るよね?」
校舎を振り返るとマシーンが何体も取り付いて生徒達の悲鳴が上がっている。
俺が逃げていいのか。みんなより強い俺が、襲われている人達を無視して逃げていいものなのかっ!!
気が付いたら校舎に走り出していた。
「おい!君!」
後ろから兵士が叫ぶがそんな事気に留めていられない。
「流星ー!!!」
後ろから2人の叫ぶ声が聞こえる。
「ごめん・・・俺は闘うよ」
怒りを覚えながら校舎を見上げる。
普段とは明らかに違う何かの力が身体を巡っているのを感じ始めていた。
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