●tRICK bAG(00/10/18・高円寺・JIROKICHI)

推薦盤のページにも登場したtRICK bAGであるが、ホームグラウンドとでもいうべき「JIROKICHI」で定例のライブが行われたんで、初めて生で観た。


いつもより少し遅めの8時に1stセットがスタート。狭い店内(フルで30人くらいか)はほぼ満杯の入りだ。


ステージの向かって左サイドからギターのモリこと森園勝敏、ドラムスの鶴谷智生、ヴォーカル&アコギのホトケこと永井隆、ベースの大西真、キーボードの小島良喜という配置。テクニック、キャリアともに日本を代表する巧者ばかりである。


演奏はホトケの2ndソロアルバム「FOOL'S PARADISE」中のナンバー「I Don't Know」から始まった。モリは真っ赤なエピフォン・ファイヤーバードVをおもに弾く。これがなかなかイカした音色なのだ。ソリッドなのにコシとパワーがある。


途中、エフェクターのトラブルなど(なんと全部アナログのエフェクターである!)若干起きるも、そこは百戦錬磨のつわもの、涼しい顔をして切り抜けるモリ。ホトケも、最初からトバすというより、緩急とりまぜたナンバーで、じわじわと盛り上げていく。シャウトも控えめに、どちらかといえば「引き」のワザで聴かせてくれた。リズム隊のパワーの凄さはいうまでもないが、小島のシンセ・アレンジも実にツボを心得ていて、サウンドに奥行きを添えてくれる。


とにかく、何十年も第一線で活躍してきたプロ中のプロでこその貫禄。乗せれば勝ち!みたいな、お子チャマばかりのロック・コンサートとはワケが違うのだ。聴くがわも、耳が肥えているから容易には煽られない。手だれの者同士の真剣勝負のようである。


その日は残念ながら都合により1stセットしか見られなかったが、彼らには相当数のレパートリーがあると言う。実際、推薦盤に取り上げたライブ・アルバムのための3日連続ライブでは、毎日違った曲でやったという。近いうちにまたライブを観て、彼らの全貌を知りたいものだ。

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