●パークタワー・ブルース・フェスティバル(01/12/16・新宿・パークタワーホール)
初めて新宿パークタワーのブルース・フェスティバルに行って来ましたので、ルポします。
(1)ウエストロード・ブルーズ・バンド
さすが結成30年だけあって、実に息の合った演奏でした。
7年のブランクを感じさせない、きめの細かい演奏に感心しました。
塩次さん(テレ&ストラト)も、山岸さん(335&ストラト)も、ギターの音色がクリアですごく通りがよかったです。
リハなしでも本番をこなせる実力派。でもさすがに、今回はリハーサルをやったそうです。
途中から、パパ・グロウズ・ファンクのジョン(kb)も参加。
本場のバンドにも決してひけをとらないグルーヴを感じました。
それにしても、塩次さんはお年をとるにつれ、寺内タケシさんによく似てきた(特に表情や体の動き)と感じたのはワタシだけでしょうか?
(2)ファイブ・ブラインド・ボーイズ・ミシシッピー
いやあ、スゴかったです。
演奏はふつうの3ピースのローカル・バンドって感じでしたが、とにかく歌が!
実際に目が不自由なのはお三かたでしたが、彼らを含めた五人のヴォーカル、そしてギタリスト、ベーシストも歌う歌う!
のってくると、客席まで降りてきて歌いまくるし、マイクなしでも通るくらい声量がある。
ま、カラダもデカいひとが多いのですが。
1943年以来活動しているという(たぶん)70代のおじいさんも、迫力のバスを聴かせてくれました。
コーラス、ソロともに、圧倒的なパワーを見せつけてくれたFBB。
ゴスペル・コーラス、やっぱ本場モンは違いますね!
(3)シーファス&ウィギンス
ギターとハープのデュオ。伝統的なデルタ・ブルースを演奏するユニットでした。
おもにギター(シーファス?)が歌い、たまにハープの方も歌います。
ギターも悪くはないですが、とくにハープの音がよかったです。
包容力のある音といいましょうか、実に気持ちよく聴けました。
ただ、ワタシ自身は風邪のため、だんだん立見がつらくなってきて、後半でギブ・アップ。
ロビーで座って聴いていました。
こういうサウンドの場合、ヴァリエーションをつけるのが難しいので、1時間近くを持たせるのは大変で、けっこうロビーで休憩しているお客さんが多かったんですが…。
CDできちんと聴き直してみたいアーティストですね。
(4)ジョン・プライマー
その3で書いたように、途中で、風邪でへたばってしまいました。
最初にちょっとだけ、彼のギターを持った姿を観たのですが、それからはずっと、ロビーに座って聴いておりました。
音はきちんと聴こえてきました。
バックはけっこう、いま風なラウドな音でしたが、ジョンのギター&ヴォーカルは正調シカゴ・ブルースという感じでした。
ギターがおもにクローズアップされがちなジョンですが、歌もなかなかのもの。
スタイルは古典的でも、歌いぶりにどこかモダンな切れ味を感じました。
いま一番旬のアーティストとよばれるのも、ナットクでした。
(5)ジョージ・ポーター・ジュニア feat.アール・キング
いよいよ大トリです。
前半はジョージ、ジュン山岸、PGFのジョンを中心としたグループで演奏。
音のほうはもう、折り紙つき、バリバリのファンク。
カーティス・メイフィールドの曲などもやっておりました。
ジョージのベース・ソロから始まるブルース・インストもあり、ブルース・フェスティバルらしい演出でした。
後半、おまちかねのアール・キング、登場。
さっそく、ギターを弾き始めたのですが、周りの演奏とキーが合っておらず、周りが気を配ってキーを彼に合わせる一幕も。
かなり手元のあやしいギター・プレイに、観客はハラハラしどおし。
でも、歌になると、けっこうしっかりした歌いぶりでした。
「ゾーズ・ロンリー・ロンリー・ナイツ」「トリック・バッグ」といった、おなじみのナンバーももちろん聴かせてくれました。
かなり、お年を感じさせるステージではありましたが、その芸人魂には、感動すら覚えました。
そして、観客やバック・ミュージシャンの、彼への深いリスペクトも感じました。
「生涯一ブルースマン」とは、まさに彼のようなひとを言うのでしょう。
最後は、オールキャスト出演で「BABY, WHAT YOU WANT ME TO DO」を延々と大合唱。
大興奮のうちにフェスティバルは終了しました。
とにかく、さまざまなスタイルのブルースを堪能出来た午後でした。
来年は誰が来るのか、今から楽しみです。
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