第8話 告白

俺は、明日告白することを二人に伝えてから寝た···全然眠れなかったがな


◇◇◇

(昼休み)

「由衣さん、今日の放課後とかって予定あるかな?」

「全然空いてるよ?」

「そっか、なら良かった!」

「?」


滅茶苦茶ハテナ顔で見られたな···まぁ、よし!頑張るか!任せた、未来の俺!


◇◇◇

(放課後)

「由衣さん、少し俺に着いてきてくれないかな」

「いいですよ」


ヤバいヤバい、この道中何を話せばいいか全く頭に浮かばない!


「上に上がるんですか?」

「まぁね、実は先生に言ったら屋上の鍵を貸してくれてね」

「貸してくれたんですか!」


先生にニヤニヤされていたのは内緒だが


「うわぁー!いい景色ですね!」

「そうでしょう!この屋上から見える景色を1度由衣さんにも見て欲しくてね!」

「ありがとうございます!私のために!」


理由はもう一つあるけどね···


「実は···もう一つ由衣さんに伝えたいことがあるんだ」

「私に、ですか?」

「はい!」

覚悟を決めろ、俺


「ふぅー、」

1度深呼吸をして!

「由衣さん!あの日あなたが涙を堪えながら一生懸命に笑っていた姿がずっと忘れられなくて、それから話すようになっていって、もっともっとあなたのことが気になっていきました!」

「······」


あぁ、うるさい!心臓の音!あと少しなんだ!あと少し、この言葉を言うだけなんだ!


「好きです!俺と付き合ってください!」


言った、言ったぞ···頼む、どうか···


「私は、ずっと独りだと思っていました···中学校に入ってから、親の都合で転校を何度も繰り返して···その度に仲良くなれる子もいればそうじゃなかった子もいました」

「···」

「だからあの日も、また中学校の時みたいになると思って怖かったです···」

「そう、だったんだ···」

「はい···ですが!あの日私は運命の大きな出会いをしました!」

「え···」

「それはあなたです、晴さん···いいえ晴!」

「!」

「私もあの日からあなたのことが頭から離れませんでした!だから、私と付き合ってください!」


『はい!』


その日、あの日程の猛暑の日ではなかったはずなのに···部活動生たちからは···

”放課後になって急に暑くなった!”

”クーラーがついているのに、故障と思うほど暑くなった!”

”体育館がサウナみたいに暑くなった!”


そんなことが起きてから、知らぬ間にその日に名前が付き、学校伝説と語り継がれるようになった!


そう、”青春の日”と


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青春の日 セイユウ @adamanteer

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