第2話 脳内シュミレーションは役に立つ?

やべぇもう朝か、昨日のことを考えていたら全然寝られなかったんだよなぁ····


「ピピピピ!」


あー、アラームの音か、今何時だ?···って!

”7時40分”······


「急げぇーー!!!」


ヤバいやばいぞ!俺の学校は8時前までには着席を完了させ、朝補習の準備まで終わらせておかなければならないようになっているんだ!

つまり、いつも登校に30分は必ずかかる距離の俺は間違いなく詰みだってことだ····って!そんなん考えてる暇あるなら走れ!俺ー!


◇◇◇

朝補習の終わりを告げるチャイムの音

(キーンコーンカーンコーン)

はぁはぁ、ガチで疲れた···あれからずっと走り続けてなんとか8時少し前ギリギリに着いたからな、ホントに俺を褒めたいレベルだ。(俺が悪いんだけどな)


「おいおい、どうしたんだ今日は?晴」

「別に、なんでもないぞ彰」

「いいや、嘘だな!晴の顔にはっきり書いてあるぜ···嘘だと」


こういう時だけ何故か勘が鋭いんだよな、彰は


「それで、どうしたんだよ」

「別にホントになんでもないんだよ···」

「いいや、晴がそんなに焦った口調になる時は、必ず嘘をついているときだと相場が決まっている!」

「誰が決めたんだよ」

「俺以外いるか?」


根拠ゼロじゃねーか


「あー、なんだ、友達の話なんだが···」

「(なるほどな、)」

「実はその男子には突然カッコイイと思った女子が出来たらしいんだ」

「(ふむふむ、)」

「その男子は、その女子にどう話しかけようか悩んで、悩んで気づいたら朝になっていたらしいんだ!」

「(そういうことか、)」

「それは結構重症な恋みたいだな!ニヤ」

「なんで嬉しそうなんだよ···」

「さぁな〜ニヤニヤ」


絶対気づいてるな、この男


「とりあえず、アドバイスとしては普段通りに

接していれば勝手に会話ができるようになるぞ」


本気で言ってるのかコイツは?

それが出来ないから相談したのに······いやまてよ、なにも普段通りが普段通りじゃないのかもしれない、つまり!頭の中で会話練習をすることで普段通りの会話状態まで持って行けということか!


「なんか勘違いしてないか?」

「いや、言葉の真意はよくわかったから安心してくれ」

「お···おお、そうか、それなら良かった(絶対変な解釈してるな)」

「じゃあ、俺はちょっと集中したいからまた後でな!」

「あぁ···(集中?)」


よし、とりあえず会話をしてみるか

(脳内)

「名塚さん」

「あ、あなたは昨日の!えっと···」

「速野 晴っていいます!」

「えっと速野さん、昨日はありがとうございました!」

「大丈夫だよ!別に大した事はしてないからね」

「もし良かったらなんですけど、お礼がしたいので連絡先を教えてくれませんか?」

「も、もちろんいいですよ!」


(現実)

「(完璧だな、敬語にはなっちゃうけど)」


「ありがとな、彰」

「絶対なんかやらかすフリだろ!」

「そんな訳ねーだろ(よし、行くか!)」



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