青春の日
セイユウ
第1話 出会い
まだ高校1年生になって数ヶ月くらいのクラスでの探り合いの時期。俺、速野 晴(はやの はる)は
会った...名塚 由衣(なづか ゆい)に。
◇◇◇
その日は天気予報で過去観測されたこともないくらい猛暑の日と言われていて、自販機から
飲み物が落ちる”ガタン”の音が休み時間中ずっと鳴り止まずにいた。
「大丈夫か、晴?」
「大丈夫だよ彰」
今俺に話しかけてきたのは高校で友達になった
瀬野 彰(せの あきら)といって、入学式の日の朝に話しかけられ、そのまま仲良くなった。
「なら良かった、今日はマジで暑いもんな」
「ホントそうなんだよ」
「まぁところ変わって晴、好きな人とか出来たか?」
「好きな人?まだ全然クラスの人のこと知らないからなー」
「そうか」
そんなダラダラと時間を過ごしているともう放課後だ。
「俺は部活があるからまた明日な!」
「あぁ、じゃあな彰!」
俺は帰ろっかな····ん? 3人の女子が1人の女子を連れて行ってる? まさか....
その後、その女子達を付けて行くと校舎裏に着いた。
「ねぇ名塚さん、あなたなんで私たちに話しかけて来るの?」
「それはただ仲良くなりたくて···」
「はぁー、それがめんどくさいっていうのがわかんないの?」
「え...」
「ずっとずっと私たちに話しかけてきて、空気を読むってことが出来ないのかしらね」
「ごめんなさい···」
あーやっぱいじめか、なんでどこの学校にもあるんだろうな...てことは置いといて助けに行くか!
「ほんとムカつく」
「ごめんなさ···」
「謝んなくていいよ!」
「え··?」
「だって、ヘコヘコしなきゃいけない友達なんて本当の友達じゃないからね」
「あんた、何よ!」
「何?俺はただ事実を言っただけなんだが、それともさっきからこの一部始終を撮ってたスマホを学校に提出してもいいのか?」
「そ、そんなの嘘に決まってるでしょ!」
「さぁ、どうだろうな〜」
「お願いそれだけはやめて、あなたには謝るから」
まぁ、撮ってたなんて嘘なんだけどな
「謝る相手が違うだろ」
「名塚さん、ごめんなさい」
「私は···大丈夫ですよ」
「てことで、あんたらはもう彼女だけじゃなく誰もいじめるなよ」
『はい...』
たく、なんでこんな入学してちょっとでいじめが起きるんだ。
「大丈夫だったか?」
「大丈夫です!」
その瞬間、涙を堪えながら一生懸命に笑って
平気だと俺に思わせようとするその姿を見て俺はカッコイイと思った。
その日帰ってからも寝る時もその彼女の姿がずっと忘れられないでいた、そして理解した。
俺はあの子に恋をしたんだ。
これが速野 晴と名塚由衣の出会いだ。
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