復讐

 

復讐

 給食時間中、私は目の前に座っているえりかに向かってこう言った。


「えりかちゃん、私がえりかちゃんの給食が美味しくなるようにトッピングしてあげる」


 そして、えりかの机の横に立つと、クリームシチューが入った皿に消しカスや鉛筆の削りカスをぶち込んだ。


「私がせっかく美味しくアレンジしてあげたんだから、残さず食べてね」


 私はにこりと笑ってそう言うと、自分の席に戻った。そして、両手で頬杖をつきながら、えりかがクリームシチューを食べるのを今か今かと心待ちにしていた。しかし、えりかは一向に食べようとしない。


「ねぇ、早く食べたら?」


 イラ立ちながら、私はえりかに向かってそう言った。するとえりかは突然、自分の給食が乗ったトレイを左手で払い、床に全部ぶち撒けた。その音にクラス中の視線がこちらに集まる。


「あーあ、せっかく給食センターのおばさん達が愛情込めて作ってくれたのにかわいそう」


 私はそう嫌味を言ったが、えりかは何も答えない。すると突然、えりかは制服のリボンとシャツの第一ボタンと第二ボタンを外した。そして、スカートのポケットから折り畳みナイフを取り出すと、その刃を広げた。それから私の方を見て、やさしく微笑むと、躊躇することなくそれを自分の喉に突き刺した。傷口からは血が滴っていた。そして、えりかが傷口から勢いよくナイフを引き抜くと、鮮血がまるで噴水のように溢れ出た。白いシャツは血で赤く染まっていく。そして、えりかはゆっくりと崩れ落ちて行くかのように、机に体を突っ伏した。私はふと、自分の机を見た。机はえりかの血で赤く染まり、白かったクリームシチューは血で赤く濁っていた。

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復讐   @hanashiro_himeka

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