第20話
「二人が話していることの意味が分からなくて、こっちに来たの。それにしても、高いイヤホンとかすごいわね。スマホのスピーカーと、全然違う」
無事、俺と淺埜さんは前野さんと合流した。あとは瑞葉さんだけだ。ほんと、どこに行ったのだろうか。まぁ、連絡しても返事がないし、あとでもう一回連絡しよう。
ということで、今からは、俺がはまりそうなオーディオについての話題が出そうだ。
俺は持ってきたウォークマンを取り出して、早速イヤホンにつないでみる。
気に入っているサウンドトラックが聴こえてくる。
う~ん、ちょっと低音が強調されてきついな。
「そのイヤホンどんな感じなの?」
「ちょっと低音がきついな。俺には合わない。あと、ヘッドフォンな」
「へぇ、オーディオにも詳しいんだ」
「そんなことないぞ。ニワカだ、ニワカ。やっぱり、俺にはモニターヘッドフォンだな」
「もにたーへっどふぉん?」
「曲の収録現場とかで使われるヘッドフォンで、フラットな音が特徴らしい」
「プロの世界で使われるってことは、良いヘッドフォンなんだね」
「それは知らないけど……。一万円以上からだと、劇的に音が変わるらしいから、オーディオにこだわりたいと思っている人は、一万円ぐらいのヘッドフォンがオススメだって」
今のヘッドフォンはちょうど一万円ぐらいのヘッドフォンだった。この辺りからオーディオ道へと入っていくのか。
俺、何円まで課金しようか。沼には入りたくないが……厳しいな。
「私は好きかな。このイヤホン」
「へぇ」
オーディオは人の好みが大きく別れるジャンルだ。低音が好きな人がいれば、高音が好きな人もいる。そして、それぞれの信者がいる世界だ。
ネットの評価を信じてはいけない。試聴して、自分に合うかが大切だ。
「私、このヘッドフォンが好き」
「え、どんなの?」
淺埜さんも好みのヘッドフォンを見つけて、前野さんに共有していた。その顔はとっても楽しそうだ。淺埜さんはオーディオ沼に入りそうな気がする。健闘を祈る。
俺は心の中で敬礼をすると、モニターヘッドフォン売り場のほうに足を運んだ。
密閉型、オープン型の二つがヘッドフォンにはある。密閉型は音がもれにくくて低音が聴きやすいらしい。オープン型は音漏れがしやすいが、高音の伸びがいいらしい。
俺は、アニメソングやアニメ視聴、ギャルゲープレイ、ギャルゲソングを聴くのをメインに使用予定だから、まぁ、低音はあまり気にしない。
俺が求めているのは、音をどれだけ誠実に表現できるかだ。
だから、俺はモニターヘッドフォンが欲しい。
「……」
ヘッドフォンの試聴をしようと思ったら、スマホコーナーにいる瑞葉さんを見つけた。
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