男と女

「そうなんだ、死んでも死なないってことはこうして私と話しているエイスケはもう死んでいる人ってこと?」


「そうだよ、死んだって、最後に愛した女の運命をちゃんと見届けないとあの世にちゃんと行けないよ」


「そうか…、なるほど…」


「あなたがあの世へ行ってもう10数年経つけど、2023年の今、女性の力が強くなって来た実感があるわ、というより男性が弱くなった?のかしら。だって、マンションの自治会も管理組合も女性が多くなって、おじさんたちはみんな疲れ果てて辞退してる感じよ。管理人だって女性に変わったし」


「そうか、戦後に始まった女性参政権、男女平等教育、女性の進学率や就職機会の増大…少しずつ効果があるんだね。男はそれまで男ってだけで優位に立てたけど、今はそれは無くなってるんで、男は彷徨っているのかもしれないな。時代の変化に着いて行けなくて。」


「で、女性も仕事して、子どもまで産んで育てるんじゃ、結構大変だから、手間の掛かる夫は不要になって来るかも…」



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