新環境

引っ越し作業が終わったあと転校した学校に手続きをしに行く、校長先生と話したり一通り教室を案内された。


始業式が始まった、俺は体育館の後ろで話を聞いたあと教室に担任と一緒に入って紹介された


「転校してきました、よろしくお願いします」


友達を作る気もなかったので素っ気なく自己紹介を終わらせて空いてる席に座る。


休み時間転校生への定番であろう質問イベントが始まった


「なんで転校してきたの?」


「親が離婚したから」


一言で場の空気が凍った、質問してきた人が謝る、俺はそれに別に気にしてないよと答えた


「他にないならもういいかな?」


そう言って俺は強制的に質問イベントを解散させた、それいこう何事もないまま一日が終わった。


家に帰ると誰もいない、親は仕事が増えたようで朝から夜中まで働き詰めだった、だから親に会う時間が減って俺は嬉しかった、新しい自分の部屋に入り引っ越してきて必要になるだろうと言われ買ってもらったスマホでゲームをして暇つぶしをする、上の弟が帰ってきて時計を見ると5時過ぎていたので晩御飯を作ることにする、親が作れないから長男である俺が作らないといけないという責任感があった、作った料理を自分の分だけ持って部屋に戻る、ご飯を食べたら風呂に入ってまた部屋に戻る、家族と顔を合わせない生活が始まっていた。


転校してからしばらくがたった、誰とも自分から関わらなかったので、友達などできる訳もなくクラスで浮いた存在になっていた、いじめでもシカトでもなく無関心というのが今の状態である、俺はそれで不自由しないし慣れているので充分だった。


転校して半年がたったこの街にも慣れて多少仲がいいと言える友達も出来た、そして俺には彼女ができていた名前は花菜という、真面目な子ではなくいわゆるギャルと言うやつだ、俺は早く大人になりたいという憧れがあってか中学生になる頃には煙草を吸い始めていた、どこからか情報が流れたらしくそういう人間だと言う認識が広まったらしい、その時に花菜は俺のことを知って、憧れたようだ

馬鹿な奴だと思ったが、特に断る理由もないのでダラダラと付き合っていた、幸い何をするにも親は遅くまで家に帰ってこないので酒も煙草もセックスも自由にできていた。


それからなんの変化もなく卒業を迎えた、花菜と俺は本気で付き合っていた訳でもなく、卒業というちょうどいい節目ができたことで別れることにした。


俺は特に目標もなく成績も悪かったので春から通う高校は俺の偏差値でも行けるとても頭の悪い、いわゆる不良高校だ

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死にたい話 くじらのなみだ @Qujilatear

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