第12話 英雄

「クラート君、私は、こんなに綺麗で、こんなに悲しい気分になる天体ショーなんて...見たことないよ...」

地球人)「さて、君のボーイフレンドも死んだことだし、地球からの援軍を待つとするか...って体が、動かない⁉」

「そこまでだ!観念しろ!地球人ども!」

地球人)「どうなってるんだ!カプセルスーツが、動かない!」

「一体何が起こってるの!?」

「岩波ミオさんですね。どうやら俺の親友クラート・グリーン君がシャドウメタルを破壊したことで緑陽星中の防護網がライトメタル原子化して地表に降り注いだんです。その影響で地球製のカプセルスーツや、宇宙船が動かなくなったんだ。彼は英雄だよ。な、クラート...」


地球大統領)「くそ!本当に隕石を破壊するとは...しかもたった一人の男に!恐ろしい文明だ!シャドウメタル巨大電荷光線砲を撃て!」

地球人2)「シャドウメタル砲が動作しません!」

地球大統領)「なに!?なぜ動かない!」

地球人2)「シャドウメタル砲に何か異物を発見しました!」

地球大統領)「解析しろ!」

地球人2)「できました!これは、月面製原子分解爆弾です。」

地球大統領)「なに!早く外せ!」

地球人2)「もう手遅れです!原子化がもう始まってます!」

地球大統領)「くそ...ここまでか...緑陽星の地球軍はカプセルスーツが動作しなくなり全滅、我々の...敗北だ。」


10年後

「レオ!起きなさい!学校に遅刻するよ!」

「え~もう少し寝かせてよ!」

ミオは結婚してレオという子供が1人できていた。

「学校に遅刻したら学校辞めさせられちゃうよ?」

「それはやだ!起きる!」

「いい子。あなたも起きなさい!」

「あ、もうこんな時間か。」

すると奥から1人、見覚えのある顔が...

「おとーさんおはよう!」

「おはよう!ミオさん、今日の朝ご飯は?」

「今日はオムライス!」

「おー!地球料理だ!」

「あ、いっけね!学校行ってくる!」

「おーい!レオ!朝ご飯...まったく。」

「それよりあなた?今日は何の日か覚えてる?」

「もちろん!今日は、」

その時、誰かがインターホンを鳴らした。

「レイト君、式典の準備はできてるかね?」

「はい!もちろんです!」

「あなた、いってらっしゃい!」

「行ってきます!」



彼の脳内にクラートの遺した言葉が横切る。


「レイト、僕の代わりにミオさんを幸せにしてやってくれ。」


クラート、俺は今、ミオさんを幸せにできてるかな?

「「これより、戦勝記念式典を開催します。」」



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孤独の惑星 作島者将 @saku-1

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