第3話 隠し事 〜二人の秘密〜

「和華奈ーーーーっ!」



ガチャ

玄関のドアが開く。




「きゃあ!」



ドサッ



私の部屋に飛び込んで来たのは親友の沙夜香だ。


勢いで転ぶ私達。




「何?どうしたの?」

「親と喧嘩しちゃったよーーーっ!」

「えっ!?」

「だから泊めて」

「はいはい」

「ありがとーーっ!」



そして一週間が過ぎ沙夜香は、親から連絡が入り渋々、帰る事にした。


沙夜香を見送り、部屋に入ろうとした、その時だった。




「牧屋も大変だよなーー」



ビクッ



「えっ…!?い、池西君…っ!?」




そこにはクラスメイトの男子生徒。


そして紛れもなく良く知ってる顔の男の子。


池西 弘渡(いけにし ひろと)君がいた。



私はドアを閉める。



《見られた!ヤバイ…!!》

《ど、どうしよう??》

《絶対に引かれた!》




「安心しろよ!」

「安心しろって…簡単に…」

「いいから!ここ開けろ!」


「いーーやっ!!絶対に嫌っ!!お断りします!帰って!」


「変な目で見られてんだぞ!?」

「そんなの知った事じゃないから!」

「あっ!!芸能人発見っ!!同じ住人……」




ガチャ

ドアを開け、キョロキョロ見渡す。



その間、コッソリと私の目を盗み中に入って行く池西君




「ちょっとー、いないじゃん!」

「バーカ!嘘だよ!真に受けんなし!」


「なっ……!酷っ!!つーか、何、人の部屋……勝手に…不法侵入っ!!」 




グイッと私の手を掴むと部屋に入れる。



眼鏡を外す池西君。



ドキッ




「なっ……!」




そこにはあのイケメン男子がいた。



《…嘘…イケメン男子、池西君だったの!?》



「俺の本当の姿。そして、性格も違う。あんたも俺も隠し事があるって事。つー事で、お互い様なんで宜しく!牧屋 和華奈さん」



イケメン男子。

クラスメイト。

彼は、何を小細工しているのだろう?




「どうして私に話すの?」

「性に合わねーから」

「えっ?」


「ともかく、そういう事。言っておくけど、あんたの事、バラす気、更々ねーし。あんたも俺の事バラすんじゃねーぞ!」


「お互いの為だし、バラす理由が分からない!つーか…あーーっ!」


「何だよ!いきなり叫ぶなよ!」


「学校で私の事、文句垂らしたでしょう?」


「そうだけど?」


「あっさりと!」


私達は少し会話をして別れた。







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