　俺たちはこの世界の状況を知った後、取り敢えずクラウニーの住んでいる墓所に集まることにした。

　そこは薄暗い洞窟の中にあり、身を隠すのにはうてつけだ。

　しかも地下8階層の構成なので結構広く、砂漠の中の洞窟なのに妙に涼しいのもポイントである。

　ただ、【冥帝】の墓所と言うことで墓が多いのが難点ではあった。

　地味に死霊系の魔物が多く生息しているせいで少し空気感が悪いと言う所か...。

　こればかりは慣れるしかない。

　俺は一番奥の8階層にまで案内され、そこで生活の基盤を作ることにした。

「いやいやいや、ここは私達死霊系の者達が住む都ですよ？　生者が生活していく基盤なんて作れるはずないじゃないですか」

　とかなんとか言ってきたので俺は早速ダ（・）ン（・）ジ（・）ョ（・）ン（・）を（・）制（・）作（・）する。

「まあ黙って見とけって、一応聞いておくが8階層にあるこの部屋以外ならどう使ってもいいんだよな？」

「まあ、別にいいですけど...」

　その言葉を貰った俺はダンジョンの構成に移る。

「1〜3階層は守護領域...、4〜6階層は作物生成領域...、7階層は住民の住宅街、8階層は今のような王の住まう場所...、そして9階層を作って俺たちの住む階層にしよう！」

　ある程度の構想を思いついたら後は魔力を込めるだけだ。

　凄まじい魔力の反流が俺の体から溢れ出す！

「な...なんですかこの凄い魔力は！」

「凄い...！」

　そう驚くケロ次郎とクラウニーだったが妹だけは何度も同じ光景を見ているのでいい加減慣れたようだ。

「【ダンジョンメイキング】！！」

　そう叫びながら指をパチンと鳴らし、ダンジョンの再構築を行った。

　何度も地震にも似た騒音が鳴り響き、あれよあれよと言う間に俺の望むダンジョンが出来上がる。

「よしっ！　できたはずだ！」

　俺の言葉にクラウニーは笑う。

「は...はは〜ん、できたはずだって事はできていないのかも知れないんですよね？　何をしたのか知りませんがちょっとやそっとの事で私が驚くと...！？」

　そこまで言いかけると彼女は静かになった。

　なぜなら8階層から見える7階層の構成が大きく変わっていたからだろう。

　7階層にはちょとした民家をいくつも立ち並ばせている事で住民区とした事を彼女に伝える。

「7階層は住民区だ、ここからそれぞれの担当地域に地下エレベーターで出向かいそこから4階層の農業エリアや5階層の漁業エリア、6階層の工業エリアに向かってもらいそこで仕事をしてもらう」

「まさか他の区画もこれと同じ規模の変化があるんですか？」

　そう呟く彼女に俺は新しくなった彼女の居城を案内するのだった。

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