　俺はクラウニーからこの世界の現状を聞くことにした。

「クラウニー、ちょっといいか？」

「なんですか？」

「お前の言動からしてこの世界の人間に対して深い恨みのような物を魔物達は持っていると感じた、だから教えてくれないか？　一体人間達が何をしたのかを」

　その言葉に彼女は口を開いてくれる。

「そうですね〜、どこから話しましょうか？　人間達が停戦協定を破り【高等集団儀式魔法】で魔物の王国を焼き払った所から？　それとも【8天勇者】に魔王が討たれた所からでしょうか？　もっと前に戻って【天国への門（ヘブンズ・ゲート）】を人間達が開いてしまった所から話した方がよろしいですか？」

　聞いたことのない単語がたくさん出てくる。

「【高等集団儀式魔法】？　【天国への門】？　【8天勇者】って？」

「...もしかして知りません？」

　小馬鹿にしているのか彼女はクスクスと笑っている。

「ああ、俺とリウは異世界からやってきた者だからな」

「異世界からねぇ...」

　俺の言葉を未だに信用していないのか彼女は静かに笑う。

(むかっ！　こいつやっぱ好きになれそうにないな)

　彼女は見た目は非常に美しいが、心のほうはそこまでではないらしい。

　俺はため息を吐きながら彼女の言葉に耳を傾けるのでした。

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