第10話 【冥帝】の力
クラウニーが死んだ刑務官をアンデットにして蘇らせる。
「【タッチアンデット】!」
彼女が触れた死体は彼女の眷属として蘇るのだ。
その様子を見ていた生き残りの刑務官達に人間の支部をいくつか吐かせた後にアンデットと化した。
「やってることえげつねぇな...」
そう呟く俺にクラウニーは満面の笑みを返す。
「いえいえ、人間達の方がもっとえげつない事をやってきてましたので、すぐ殺してあげる事は慈悲深い行為ですよ♡」
(こえぇぇぇ!)
直ぐに命を奪う事を慈悲と答える彼女は紛れもなく【冥帝】であると判断できるだろう。
(出来るだけクラウニーは怒らせないようにしよう...)
戦力増強とは言えども、死体を弄ぶのは俺の意には反する。
それは人間だった時の記憶がそうさせるのだろう。
しかし、今の俺はモン娘で魔物だ。
人の倫理観で【冥帝】の倫理観を図る事はできない。
が、俺の知っている【冥帝】はこのような事をしなかった。
(やはり【冥帝】と同じ名を関していてもシスティとは考え方も戦い方も全然違うんだろうな...)
俺の知っている【冥帝】のシスティは魔法主体の戦闘をしていた。
しかし、目の前にいる【冥帝】クラウニーは大剣を振るう物理攻撃主体だ。
しかも【タッチアンデット】とか言う接近用の魔法も取得してる。
奥底の見えない実力者として見て良いだろう。
(面倒そうな性格してるけど、一緒に戦ってくれるのなら心強いかも?)
そう思った俺は一応彼女との同盟関係を考えているのでした。
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