第27話

私が姪っ子の顔に水をかけ、びしょびしょになった姪っ子を老母が着替えさせた2日後、姪っ子が家出をした。

私が17時すぎに1階で食事をしていると(仕事の関係で、昼食も夕食も時間が早めで、独りで食べていた)母が「あの子が帰ってこない」と浮かない顔でどこかに電話をしていた。もしかしたら学校にかけていたのかもしれない。

老母によると、小学校の登下校は集団で近所の子たちと一緒なのだが、あの子はちょっと変わっていて、集団から外れて歩いていることが多く、その日も家付近まではみんなと歩いていたが、そこからひとりで公園をぶらぶらしていたりして、他の子たちは帰ってしまったらしい。

警察に電話したほうがよいのだろうか、というか、私が「もう少し待ってみたら」と言い、しかしこの家の他にあの子が遊びに行けるような場所があるとも思えず、弟がやってきたときには歩いて15分くらいの河原に遊びに行くから、そっちへ行ったのかもしれないと母と顔を見合わせた。

老母が東京にいるはずの弟に電話すると、姪っ子に携帯を持たせているからと、携帯を呼び出してみたのだが繋がらなかったといって、大人3人がイライラすることになった。小1で家出?

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