第3話
アホな私 その三 歯医者事件
村長おじさんの家は、阿賀の川に沿って大きな武家屋敷のようだった。川下の方に村長おじさんの家の玄関があり、川上の方に私の家の本家があった。
父は山に近い方に分家として世帯を持ったようだ。私はまだその頃は本家の玄関の方には行った事がなかった。そこの中庭には大きな柿の木があり秋にはいとこが木に登って取ってくれた。小粒だが甘がきでおなかが減っている私はいつも楽しみな秋の出来事です。
真っ赤な椿がたくさん咲いていた。
私が小学の時に二度も水害があり、兄たちと村の人たちが荷物を土手の上まで上げているのを見たことがあります。
そのような村なので川の向こうに行くのに渡し船が出ていました。ある日私の虫歯が痛くて次の朝顔が腫れていました。姉に連れられて渡し船に乗りました。私はまさか私の口の中を何かするなんて思いもしません、渡し船に乗れるのが楽しみでひょこひょこついていきました。
船にのり川向うの岸に着きました。船を降りると急な坂で石コロがゴロゴロあって歩きにくい。
登りきると道に出て突っ切ると又坂です。
私は医者の看板らしいものを見た途端に怖くなり、
いやだ¦いやだ¦と
気が狂ったように泣いた。嫌がって暴れたようです。自分でも姉に申し訳がなかったと今でも思います。ごめんなさい。農家で家族が多いので、いつも忙しい家の人たちに迷惑をかけたな¦
いまだに思い出します。
姉もあきらめて又船に乗り戻りました。
そんな私も八十歳になりました。
歯は途中いろいろありましたが
おかげ様で丈夫です。 感謝です
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