8話 合否の行方


 第二ラウンドスタート!


「わかりました、じゃあ行きますよ!」



「たぁっ!」

 気合い十分と言わんばかりに突っ込む零。


 ギルマス(これは、、、酷いな、まさかと思うが本気ではないだろう?

 もしこれが全力出会った場合、素のステータスGも満たしてないぞ?

 少し期待していただけにがっかりだ。

 だがあれだけ身体強化魔法を維持して戦闘を出来るんだ、まぁFで発行して貰うとするか。)


 ギルマス「おい、それが本気か?ランクに繋がるから真面目にやれ」


「これが!全力ですけどぉ!?」

(え?真面目にやってないって思われるほど貧弱なの俺?)


 ギルマス「そうか、ならばこれ以上続ける意味はないな」


 ギルマス「これにて試験を終了とする」


(判断までが早いってwいや別にもうなんも出来ないしいいんだけど)

「それで、、、合否は?」


 ギルマス「ああ、不合格だ。帰っていいぞ、またの機会にな」


「え!?ちょっちょちょ待ってください。え?嘘でしょ?どこg『ああ、嘘だ』」


(この野郎💢、、、、)ピキピキ


 自然と握り拳を作った零。


 そんな様子を気にも留めぬ様に話すギルマス。


 ギルマス「改めて言うぞ。合格だ、おめでとう。

 Fランクからのスタートだ。受付嬢には話しておくからこの紙に書いてある項目に記入しといてくれ。ではまたの機会があれば会おう」



 冒険者ギルド登録契約用紙(記入前)


 1、命の保証は負いかねます。全て自己責任です。

 2、ギルド外でのいざこざは介入しない。

 3、原則殺害は死刑

 4、殺されかけたり、攻撃的な意思を感じた場合の殺害、正当防衛が成立する。

 5、Name記入欄  【 】(必須)

 6、年齢記入欄   【 】(必須)

 7、レベル     【 】

 8、グリムアーツ  【 】

 9、スキル     【 】(虚偽であった場合は資格の剥奪)


(なるほどな、ギルド外でのいざこざは介入しないがギルド内であれば止めに入るということか。グリムアーツは別に書いてもいいよな。

 あとは9の注意書きはスキルの情報を偽る奴がいるんだろうな)



 冒険者ギルド登録契約用紙(記入後)


 1、命の保証は負いかねます。全て自己責任です。

 2、ギルド外でのいざこざは介入しない。

 3、原則殺害は死刑

 4、殺されかけたり、攻撃的な意思を感じた場合の殺害、正当防衛が成立する。

 5、Name記入欄  【榊 零】

 6、年齢記入欄   【17】

 7、レベル     【 】

 8、グリムアーツ  【槍(E)】

 9、スキル     【 】


 記入後の契約用紙を他の受付嬢に渡した。(先程の受付嬢がいなかったからため)


 受付嬢「お受け取りますね、、、確認しました。

 ではもう暫しお待ちを、、、、、」


 数分後


 受付嬢「はい、これが零様の冒険者カードですよ。魔力を通すことで確認出来ます。

 ご確認ください」


 そう言われて、カードを受け取り魔力を通す零。


 フッと文字が浮かんできた。


 Name 榊 零 年齢  17

 ランク  F レベル 秘匿

 役職 戦士 功績値 0

 使用武器 槍 パーティー 無所属


 ギルマスの通りFランクからのスタートとなった様だ。


 受付嬢「冒険者ギルドの概要はご存じですか?」


「い、いえ知らないです。説明お願います」


 受付嬢「説明?いえ、失礼しました。こちらをどうぞ」


 そう言い受付嬢が差し出したものは、、、


《必見!冒険者ギルドマニュアル》


 と書かれた1冊の冊子であった。


「え?普通冒険者ギルドの説明って受付の人が説明してくれるんじゃないの?」


 受付嬢「どこの普通のことですか?そんないちいち登録する方に説明していたら、後から来た冒険者達の邪魔になるじゃないですか」


(ごもっとも、、、)


 現に今、この説明を受けている間、後続に並んでいる冒険者には待ってもらっている。


(そりゃあ普通、口で説明するよりも紙を見てもらう方が色々無駄がないよな)


 お礼を言いながら冊子を受け取る零。


《冒険者ギルドマニュアル》


 冒険者

 冒険者にはランクがあり、下から

「G」「F」「E」「D」「C」「B」「A」「R」「S」

 と9種類ある。

 必要功績値を満たせばランクが昇格する。

 功績値は自動で加算される。(つまりラストアタックをした者にだけ、ポイントが入る)

 パーティーでは、功績値は均等に分けられる。ただ、Hランクに限っては討伐者にだけ入る。

 ある程度までランクを昇格させると昇格試験も必要となってくる。

(試験はその時、その場によって変わる)

 溜めた功績値はランクの昇格時に差し引かれる。

 GからFに必要な功績値は1000。

 FからEに必要な功績値は5000。

 EからDに必要な功績値は10000。

 DからCに必要な功績値は50000+昇格試験。(ここから昇格する者は少し減る。何故なら試験が追加されるから、見合った実力が必要だからである)

 CからBに必要な功績値は100000+昇格試験。(ここまでこれる者はさらに減るため、エリートと一般の区別はここでされる)

 BからAに必要な功績値は500000+昇格試験。(名が知れ渡り、知らない者はほとんどいないというレベル)

 AからRに必要な功績値は1000000。(英雄レベル)

 RからSに必要な功績値は5000000。(国、または大陸に1人というレベル)


 冒険者カードは色分けもされており、Eまでがブロンズ、Bまでがシルバー、Aでゴールド、

 Rはレインボー、Sでブラック

 パーティーは最大5人まで、最小で2人、と定められている。

 5人までが経験値効率を考えた場合の限界値。

 パーティーランクはパーティーで討伐出来る魔物のランクを基に決められる。

 パーティーランクは下から

「E」「D」「C」「B」「A」「R」「S」まで存在する。



 魔物、魔獣にもランクがある。下から

「H」「G」「F」「E」「D」「C」「B」「A」「R」「S」「L」

 の11段階に分けられる。大体の基準なので間違いはある。

 魔石は色々な用途があり需要が高いため高価で売れる。


「H」 一般人でも武装備していれば倒せるレベル。子供にとっては脅威。

 例(農民、装備 くわでも勝てる)

 魔石の値段 100円

 功績値1


「G」 戦闘用スキルさえあれば素のステータスが子供でも倒せるレベル。

 魔石の値段 500円

 功績値5


「F」 戦闘用スキルもあり、素のステータスが一般的な大人ぐらいは無いと倒せない。 

 ここのレベルの魔物を倒せるレベルが冒険者ランク「G」

 魔石の値段 1000円

 功績値10


「E」 戦闘用スキルもあり、スキルを使わず武装した一般人(大人)と殴り合っても無傷で勝利出来るくらいのステータス差がないと倒せない。(つまり、もう一般人ではなんの抵抗も出来ずに殺される)

 ここのレベルの魔物を倒せるレベルが冒険者ランク「F」

 魔石の値段 3000円

 功績値50


「D」 特別(上)以上のスキル、またはグリムアーツ(D)を所有が討伐最低ライン。

 ここのレベルの魔物を倒せるレベルが冒険者ランク「E」

 魔石の値段 5000円

 功績値100


「C」 スキル(上)以上、かつグリムアーツ(C)を所有が討伐最低ライン。ここから個人の冒険者ランクだけでなく、パーティーランクも存在する。

 ここのレベルの魔物を倒せるレベルが冒険者ランク「D」 パーティーランク「E」

 このランクの魔物は「D」以上のランクを持った冒険者がいない村くらいは半壊する。

 魔石の値段 1万円

 功績値500


「B」 スキル(超)以上、またはグリムアーツ(C)を所有が討伐最低ライン。

 ここのレベルの魔物を倒せるレベルが冒険者ランク「C」 パーティーランク「D」

 このランクの魔物は「C」以上のランクを持った冒険者がいない村くらいは壊滅出来る。

 魔石の値段 10万円

 功績値1000


「A」 スキル(極)以上、かつグリムアーツ(C)を所有が討伐最低ライン。

 ここのレベルの魔物を倒せるレベルが冒険者ランク「B 」 パーティーランク「C」

 このランクの魔物は「B」以上のランクを持った冒険者がいない街も半壊させることができる。

 魔石の値段 100万円

 功績値10000


「R」 スキル(虹)以上、またはグリムアーツ(B)を所有が討伐ライン。

 このランク帯の魔物の魔石が虹色に輝いていたため、レインボーと別名がついた。

 ここのレベルの魔物を倒せるレベルが冒険者ランク「A」 パーティーランク「B」

 このランクの魔物は「A」以上のランクを持った冒険者がいない街をも壊滅させる。

 魔石の値段 1億円

 功績値100000


「S」 スキル(王)以上、かつグリムアーツ(B)を所有が討伐ライン。

 ここのランクの魔物はあまりにも強く人類(獣人なども含む)の個人での勝利の限界点と定められているため、

 亜神(Subgod)という別名がついた。

 ここのレベルの魔物を倒せるレベルが冒険者ランク「R」 パーティーランク「A」

 このランクの魔物は「R」以上のランクを持った冒険者がいない都市すらも半壊させる。

 魔石の値段 100億円

 功績値1000000


「L」 スキル(伝説)以上、またはグリムアーツ(A)を所有が討伐最低ライン。

 必要なスキルが伝説であるため、レジェンドと称されている。

 実際にはこれで倒せるかは分からない。

 ここのレベルの魔物を倒せるレベルが冒険者ランク「S」 パーティーランク「R」

 このランクの魔物は冒険者ランク「S」以上のランクを持った冒険者がいない都市すらも壊滅させる。

 魔石の値段 1兆円

 功績値5000000


「P」 スキル(幻)以上、かつグリムアーツ(A)を所有が討伐最低ライン。

 必要なスキルが幻、そしてそもそもいることすらわからないため、

 ファントムと称されている。

 ここのレベルの魔物を倒せるレベルが冒険者パーティーランク「S」

 このランクの魔物はパーティーランク「S」以上のランクを持った冒険者がいない大陸を半壊させる。

 魔石の値段 100兆

 功績値unknown



 クエスト

 クエストランクは

「H」「G」「F」「E」「D」「C」「B」「A」「R」「S」「L」

 の11種類ある。

 受けれるクエストのランクは自分の一つ上のランクまで。

 クエスト失敗した場合は違約金を支払わなければならない。


 ※資料集に載せている情報とは異なる点が多々ありますが、ご容赦下さい。


(功績値を稼ぐだけだとランクの低い魔物をひたすら何年もかけて狩ってるだけで溜まるのか、だから実力があるかどうか測るために試験があるのかな?)


「とりあえず帰るか」


 そう言った瞬間に気付いた零。


(あ!やっば普通に宿取るの忘れた!こういうことはギルド来る前に済ませておくんだった、、、)


 マニュアルを片手に急いでギルドを出た時、もう日は沈んでいた。


(どこでもいいから宿に泊まりたい!せっかく街にいるのに野宿は嫌すぎる)


 その一心で街中を駆け回る零。だがその行動を嘲笑うかのように、どこの宿も満室であった。

 たまたま見つけることの出来た街の外れにある宿になんとか辿り着いた零。

 その頃には時刻は11時を回っていた。


(もう時間も遅いから結構年季も入ってて、なんかの拍子に崩れそうなほどボロいけど、安いだろうしここしかないから泊まるしかない。

 まぁこういうとこって案外テンプレだといろんなイベントがあるからバカに出来ないんだよなぁ、、、おっとそれはさておいて早いとこテェックインして休みたいものだな)


 そう考えながら受付に立ち、何号室が空いているかの確認をしようとした零。

 だが気付いてしまった。


「あっ(察し)、、、、、ふーん、、、なるほどねぇ、、、」


 ここすらも満室であるということに、、、


「結局野宿コースじゃねぇか!」


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