7話 冒険者ギルド登録


 零はそこら辺の人に冒険者ギルドの場所を聞きながら到着。


(ギルドといったら絡まれイベントがあるかも!)

 などと期待しながら、ドアを開け中に入った。


 しかし冒険者ギルドの中は思いの外、結構小綺麗であり。

 荒くれ者みたいな形相の者はおらず、また皆同様に零に興味を示してすらいない。


(拍子抜けもいいとこだな)

 と、内心落胆しながら受付に向かう。


 幸いにして(?)、受付の人は全員が美人であった。それだけで気分が上がるというもの。


 意気揚々に声をかけた零。


「すみません、ギルドに登録したいのですが」


 受付嬢「それでしたら討伐試験か、対人試験の制度がありますが?」


「どちらの方がいいと思いますか?」


 受付嬢「そうですね、討伐であった場合、対人のものより内容は簡単ですが、原則として一番下のランク、Gからのスタートとなります。

 一方で対人を選択なされた場合は当ギルドマスターと戦っていただきます。

 ギルドマスターの予約が空くまで待っていただく他、手も足も出なかった場合は失格とされます。

 ですが、ランクBであるギルドマスターは勿論のこと手加減されます。

 そこは安心して下さって結構ですよ。

 あとは、もった時間などにもよりますが、合格と判断なされた場合は、最低でもFランクから登録が可能です。

 ギルドマスターから、本気を出させた場合はランクCから、勝利成された場合、ランクBからの登録が可能です。

 但しどちらを選んだとしても、命の保証はできません。

 ギルドマスターが手加減失敗することもあります。慎重にお決めになられた方が身のたm『じゃあ対人試験で』」


 受付嬢「、、、、話聞いてました?」

 受付嬢(たまに居るんですよね、こういう自分の実力も把握できてないガキ)


 顔は良くても口は悪いようだ。


「はい!勿論ですとも!」


 ギルマス「よお坊主、血の気が多いのは結構だが舐めてかかったら痛い目を見るぞ」


 受付嬢「では予約をー、、、ってギルドマスター!?」


 ギルマス「たまたま暇だったから降りてきてみれば、対人試験を選択した坊主がいるじゃねぇか。丁度良い、今すぐ始めてやろう。

 まさか今更になって準備不足だとか言わねぇよな?」


 その願ってもない挑発に


「まさか!対戦よろしくお願いします!」


 受けて立つのであった。


 ギルマス「得意な武器をこの中から選ぶんだ。魔法の使用も許可されている」


 剣、槍、短剣、大剣、盾、斧、弓、が置かれていた。全て刃は潰されている。

 勿論鏃やじりもだ。


(とりあえずグリムアーツがある槍にするか)


「これにします」


 ギルマス「槍を選択したのか」


「ギルマスはどうします?」


 ギルマス「俺は剣だ」


(リーチでは勝ってる、うん、有利ではある。

 だけど、Bランクといったらかなり強い部類のはずだ。最初から身体強化して全力で行くぞ!)


 ギルマス「俺は極力攻撃をしない。だが待ってやるつもりもねぇ、実戦で使えないような溜め技を使おうとは思うなよ。ほら、わかったらさっさと掛かってこい。」


「それではお言葉に甘えまして、身体強化!」


 ギルマス(ふむ、身体強化の使用か。これで普段以上の力が出るから舞い上がってしまうのも無理はねぇな、特に子供は)


 と、冷静に観察していた次の瞬間


 ギルマス「!?」


 なんと朱色ではなく緑色のオーラを纏ったではないか!


 ギルマス(ほぉ、、、まさか身体強化スキルではなく、身体強化魔法の方をつかうとはな)


 ギルマス(まぁ魔法の方は確かに上昇率は高いが燃費が最悪だからな。

「この一撃に全てを賭ける」といったところだろうな、少々気掛かりなのは身体強化スキルとの併用はしないのか?まぁ俺には関係ないことだ)


(この45秒でケリをつけなければ!)


「はぁっ!」


 リーチを活かした、横に薙ぐ様な零の渾身の攻撃!

 それを軽々と受け止めるギルマス。


 ギルマス「!?」

 顔には出ないが、内心ギルマスは少々驚愕していた。


 ギルマス(予想よりも速い動き。そして力もなかなか。

 確かにこれはFやEのステータスではねぇな。まぁCほどではないが、、、

 瞬間ステータスはDと推定。瞬間的にはDというだけだから、魔法を発動してない状態の不意打ちに弱かったりする面や、MPの消費が激しいから使い勝手も良いわけではない。まぁ総合ではFくらいならあげてやれるが、これだけではEまではやれんな。

 しかし自分の実力も把握しきれていないただのガキかと思っていたが、そこそこやるじゃねぇか。

 とりあえず合格だ。FかEになるかは素のステータスによるな)



 今頃身体強化の効果は切れているだろうなと考えているため、油断していた。


 がそれは大きな勘違いだとギルマスは気付かされることとなる。



(まぁ、止められること自体は想定内、、、だけどここまで軽々と止められるとは。

 けど、どうにか一撃は入れたいものだな!)


 そう思案しながらも次の行動に移す。


「フッ」


 息を吐く音


 ブォンという風を切る音、聴こえた頃にはもうギルマスの顔を捉えていた。


(よし!入った!)


 だが、流石というべきか。零の攻撃はやすやすと弾かれた。


 ギルマス(まだ効果が切れていないのか!保有するMPもかなりのものだと判断。

 さて、どれくらい続くかな?)


 と、もう油断することなく零を観察するギルマス。




(な!?完全に入ったろ!いまのは!ま、まぁ?この程度?俺にとっちゃ?想定内ですけどね?ここまでやって一発もね?入らないこともね?想定内ですけどね?)


 なんてウザくなりながらも攻撃の手を休めない零。


 30秒経過



 ギルマス(なかなか維持するじゃねぇか)


 と評価する一方。


(これほんとに一発も入れられないやつ?)


 となんとなく察する一方。


(本当に手加減されてる?これ。疑いたいんだけど。

 俺って結構強くなってると思ったんだけどなぁ、自信失くすわぁ。)


 そして身体強化魔法が解除される。


「ああ、マジかぁ!一回も攻撃入れられなかった!」


 ギルマス「こちらも少しばかり驚かされたぞ、かなり長い間身体強化魔法を維持して見せたじゃないか。魔法は何故使わなかったのか?」


「身体強化魔法以外おぼえてませんけど」


 ギルマス「ああ、知ってるぞ。でなければ使っているだろうしな」


(ムカつくわぁ、こいつムカつくわぁ!ガチャでそのうちゲットして驚かせてやる!)


 ギルマス「そうそう、素のステータスも確認したいからかかってこい」


 第二ラウンドスタート!

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