6話 初の「超」スキル

 ・口笛(小)

 口笛が少し上手くなる。


「ヒュー♪ヒュヒュ♪」


(、、、、)


 朝に騎士が来て、パンを貰い、食べたら寝るということをして、

 また一日が経った。


「ガチャ」



 ・聴覚強化(超)

 どんな音でも大抵の音は拾える



「やった!初の超スキルだ!」

(でも正直なことを言うともっと直接戦闘に使える様なものが欲しかったなぁ。ってか使い所結構限られてね?不意打ちを防ぐ時くらいにしか使えなくね?)


 そして次の日もまたガチャを引く


「ガチャ」


 ・カバディ(小)

 反復横跳びに補正が少しかかる


 上書きするスキルを選んでください


 バンバンバンバン

 台パンならぬ床バンをすることで溜飲を下げた。

(同じスキルもまた当たる可能性があるのか、、、いやそれにしてもお前だけは来てほしくなかった)

「もうスキル欄も上限、口笛の方がカバディよりもマシ。カバディを選ばないとか出来んのかな?」


 結果

(一度ガチャで引いたものは絶対に使用する必要があることがわかった)


「はぁ」

(口笛(小)を削除)


 少ししたらまた騎士がやってきて毎度の如く、騎士がパンをくれる。



 イケメン騎士「縺雁燕縺ッ謔ゥ縺ソ縺後↑縺輔◎縺?〒縺?>繧医↑」


 と、呟くだけ呟いて戻って行った。


(意味がわからないからなんて受け取れば良いのかわからんて)


 また日付が変わり、


「ガチャ」


 ・異世界言語(中)

 言語系のレア度は超までしかない。

 この世界の人族の言葉がわかる。


 上書きするスキルを選んでください。



「カバディを削除」

 間髪入れずに即答した。

(良かった!流石に自分で言語を習得するパターンは嫌すぎた!)


 しばらく経って、騎士が来た。


 いつも通りパンを手渡された時、


「どーもー」

 と言った。


 イケメン騎士「!?」


 イケメン騎士(今こいつなんて言った?話したよな?)


 イケメン騎士「話せたのなら何故最初から話さなかったか、問い質せて貰う。

 嘘をつくことはやめた方がいいぞ、私には嘘看破というスキルがあるからな。」



(嘘を見破れるスキルなんてものがあるのか、いやブラフか、、、どちらにせよ本当のことを話せば大丈夫だろ)


「いやぁ、実を言いますとスキルのおかげで急に話せる様になったのですよ。」



 イケメン騎士「、、、嘘は言っていないな。だがそんな馬鹿な話があるのか?もう少し詳しく教えてくれ。」



「毎日1つランダムでスキルが手に入るスキルを持っているんすよ。」



 イケメン騎士「そんなスキルがあるとは些か信じられないが嘘ではない様だ。」


 イケメン騎士「なるほどな、言語の件はわかった、だがしかし何故あんな森にお前はいたのだ?」


「それがですねぇ、気付いたら森の中にいた訳でして、行く当ても無く、適当に歩き回っていたんすけど、人の手が入った道を見つけ、近づいてみるとあなた方が居ただけですよ。」


 イケメン騎士「ふむ、、、これも嘘ではないな。直球に聞くぞ、街に近づこうとした理由はなんだ?」


「そもそも街がどっちの方向にあるのかすら知らなかったんですよ、何が言いたいかって、明確な目的はありませんでしたということです。」


 イケメン騎士「何の問題もないな。咎人の呪いは解いてやろう。だがその前に、騎士隊長を呼ばせて貰う。報告をしなければならないから少し待っていて貰う、、、

 めんどうだな。今からでも私は敵国のスパイだ、とでも言ってくれないか?そうしたら殺せば良いだけで楽なんだが。」


「私は善良な一般人です。」


 イケメン騎士「それでは殺せないじゃないか!」


「いや死にたくないんで」


 イケメン騎士「仕方ない。お前はとりあえず大人しく待っていろ」


 イケメン騎士はそう言い残し去っていった。



 騎士隊長「それは本当なのか?」


 イケメン騎士「はい、私の嘘看破スキルでも異常はありませんでした。」


 騎士隊長「そうか、それならば何も問題はないな。咎人の呪いを解いて解放してやりなさい。」


 イケメン騎士「分かりました」



 そうして零のもとに戻ってきたイケメン騎士。



 イケメン騎士「解放の許可が出た、何処へなりとも行くが良い。」


 呪いも解かれ、零の腕から腕輪が消え去った。


「それは良いんですけど、これからどうすれば良いと思いますか?無一文で明日の我が身もわからない状態なんですけど。


 イケメン騎士「、、、」

 イケメン騎士(面倒臭いな)


 イケメン騎士「これをやる、だからさっさと立ち去れ」


 そう言いながら渡されたものはお金の入った袋であった。

 中身を確認したところ、30000円入っていた。


「、、、」ジー


 イケメン騎士「何か言いたいことがありそうな目だな。なんだ?もっと寄越せと言うんじゃないだろうな?」

 と、睨みつけるイケメン騎士。


「この街のお金の価値について教えてください。あと冒険者ギルドの登録はいくらですか?」

(そもそも冒険者ギルドあるのか知らないけど)


 イケメン騎士「何を言っているんだ?〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


「ふむふむ」

(なるほど、日本にいた頃と価値は大差ないみたいだ。え、じゃあこの騎士はポンと3万円も差し出せる程の高級とりなの?)


 ただの騎士であれば、そこまでの高級とりではない。

 だがこの騎士はただの騎士ではなく、聖騎士なので当たり前といえる。


 イケメン騎士「あと、冒険者ギルドは能力さえ認められれば登録には金は必要ないぞ?まぁ認められなければ登録がまず出来ないが、、、これに関してはどこの国でも変わらない共通常識だろ?」


「自分、常識が欠如しているもので、、、」


(冒険者ギルドはやっぱりあったんだな、能力が認められれば、、、か。

 まぁ俺の実力からして落ちることはまずないと考えて良いよな)


 イケメン騎士(まぁこいつがどの様な出場かは微塵も興味ないからどうでもいいが)

 イケメン騎士「これでもういいだろ?さっさと消えろ」

 ジェスチャーで、シッシッ、とする。


「お世話になりましたー」


 そう言い、その場を後にする零。


(まずは冒険者ギルド探しだ!)


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