3話 初レベルアップ

 零の異世界生活が3日目に突入した。

 川がどこにあるのかは分かっているので問題はない、、が、

(そろそろ何か食べないとやばいな、夜になると冷えるし焚き火を起こすための火魔法も欲しいな、、、)


「ガチャ!」


 ・雷魔法(下級)


 不思議とスキルを手に入れたとき、どの様な魔法が使えるのか元々の知識としてあったかの様に、知識として入っていた。



「まぁ,確かに火はつけれるかもしれないけど、、、」

(何で魔法がくるときに限って下級、、、)


(つくづく思うけど俺って異世界にきてからの運悪過ぎじゃね?)


 使用してみたが、やはりというか静電気くらいの電気を放出するくらいに終わった。


 どうにかして雷魔法を駆使して火種にやっと静電気が引火


 した後はこの雷魔法を使って何か用途がないか探しているうちに魔力の込め方というのが分かってきた。

 だが、魔力を込めた分だけMPが減るということは感覚で理解できた。


 とりあえず魔力とMPを込められるだけ込めて雷魔法を放った。


「ライトニングボール」


 直径が20センチにもなるバチバチと巨大な電気を帯びた球体が出来上がった。


「そうそう!こういうのを待っていたんだよ!」

(投擲!)


 木に向かって投げたそのライトニングボールは木を大きく陥没させ、最終的には倒す事になった。


 なぜこのような威力になったのかを説明すると、MP200もすごいがこれ自体は別に多くはない、、、魔法を使う側からしたら寧ろ少ないとまで感じてしまう量。

 だが魔力!

 これがチートだった。称号の効果での補正が+100これだけでそこらへんの魔法使いを本業にしている者より高い。

 零の魔力は20だが、これも少なくはない。そこらの魔法使い(冒険者ランクで言うとこのE)の魔力は30くらい、10の差はあるが魔力に何のポイントも振っていないのだから普通である。

 本業にしている者(冒険者ランク換算でD)でも50もあれば十分。高いものでも100は超えない(Bくらいになると普通に100は超える者しかいないが。)


 まぁそんなことを露も知らない零は、


(え?レベル1の俺でもこんな火力なの?)

 となるのは仕方のないことでもあった。


「まぁこうなれば、やることと言ったら初日散々追いかけ回してくれた豚野郎に挨拶しに行かなきゃだよなぁ!」


(まぁそのまえにステータス確認)


 00000000000000000000

 Name 榊 零

 種族名 人族

 レベル 1

 HP  100/100

 MP  2/200

 力   38

 魔力  20+100(称号の効果)

 防御力 30

 脚力  60

 HP再生力 0.001

 MP再生力 0.2(毎分12)

 精神力(SAN値) 72

 グリムアーツ


 スキル

 ・ガチャ(一日一回ガチャを回すことが可能、出る中身は完全ランダム)

 ・自己鑑定

 ・雷魔法(下級)

 称号

「異世界に転生せし者」(効果は、レベルアップ時におけるスキルポイント取得量に補正、魔力に100の補正、スキル自己鑑定付与)


 111111111111111111111111111


「あーMPがなくなったなぁ」

(そういえばMPを全部を使い切ったときに頭痛とかは感じなかったな、、、)


(てことはMPを使い切っても気絶とかはしないってことかな?よく異世界物で見かけるのはMP全部を使い切ったら気絶、または頭痛がするのがMP最大値が上がるのがテンプレだと思ってたけど、この世界はその枠組みに入らないのかな?)


(とりあえず猪をまず探さないとな,,,その間にMPも回復しきるだろ)


 訳10分後


(なんかもう見つけられたんだけど。こういう時だけ運がいいのやめてほしい、現在のMPは120、、、これは倒し切れないかもしれないな。だが早く見つけられたのは僥倖、見つからないよりは見つけられてよかったと考えよう。後18分もあればMPは全回復、、、それまでの間いざという時のために武器でも見繕っておこう。)


 約20分後


(よし!MPは満タンまで回復した。結局良い武器は見つからず仕舞い。この少し削って尖らせた突きにしか使えない様な武器で戦うのか、、、、いやまぁライトニングボールで倒せなかった時の保険だし。)


「さてご挨拶と行きますか!」


(初手意識外からのライトニングボールで一撃で仕留めるか?それ以前に当てられるか?外すくらいならギリギリまで引き寄せてから当てても?いやいや流石に外すわけない、、、と思う。)


「考えてても仕方がない!とりま撃ってから対処しよう!」


 バチバチッと音を立てて出来たライトニングボール。

 ただ,音がデカすぎて猪に気づかれてしまった。


 案の定といえばいいのか、猪には彼我の差が判ることなく意気揚々と零に向かって突進を繰り出した。


(気付かれたのは想定外だったけどまぁ、向かってきてくれたから外すことが無くなったとも言える。運がいいのか悪いのか、、、)


「これが欲しいんだろ?」

 と言いながらライトニングボールを投げた。

 そのままバチバチと音を立てながら、猪に直撃した。


 そんなライトニングボールを受けて無事なはずも無く、黒焦げとまではいかないがボロ布となった猪がいた。まだ生きているようだが、状態異常の麻痺にかかっているため動くことは出来ない。


「お?まぁ耐えられるとは思ってたけどかなりダメージを与えられたな、あわよくばライトニングボールだけで死んで欲しかったけど、そのためのこの枝だ!」

(なんか知らんけど動けないようだし、今がチャンスだ!)


「抜刀!一閃!」

 となかなか厨二臭いことを叫びながら切り、、、殴りかかった。


「感謝の正拳突き!!!」


 謎のアクティブを挟んだが、そんな殴るだけの攻撃でダメージを与えられるはずもなく、結局先の尖った木の枝で突いた。

 先が尖っているだけあって、皮膚が抉れている部分を突くことでダメージは与えられた。

 何度か突くことによって倒すことが出来た。


 手間はとったが討伐は討伐。経験値の取得に成功した。


「さて、初討伐なわけだがステータスの方はどうなってんのかなぁ」

(ステータスオープン)


 00000000000000000000

 Name 榊 零

 種族名 人族

 レベル 7

 HP  100/100

 MP  200/200

 力   38

 魔力  20+100(称号の効果)

 防御力 30

 脚力  60

 HP再生力 0.001

 MP再生力 0.2

 精神力(SAN値) 88

 グリムアーツ

 槍術(E)

 スキル

 ・ガチャ(一日一回ガチャを回すことが可能、出る中身は完全ランダム)

 ・自己鑑定

 ・雷魔法(下級)

 称号

「異世界に転生せし者」(効果は、レベルアップ時におけるスキルポイント取得量に補正、魔力に100の補正、スキル自己鑑定の付与)


 ステータスポイント 30

 111111111111111111111111111



「おー!レベルが6も上がってる」

(最初だから上がりやすいんだろうな)


「あっ!てかなんかグリムアーツの欄に槍術が追加されてね!?」

(こんな簡単にグリムアーツを手に入れられて良いのだろうか?グリムアーツがなんなのかはよく分からないから触れて来なかったけど、これをみる限り技能みたいな感じかな?知らんけど)


(あと、このステータスポイントは自己鑑定がない場合はどうやって確認したり振り分けるんだろう。まぁこの疑問に関しては俺とは無縁なだけど!)


(一先ずステータスポイントを振り分けたいけど、正直なところ魔法を伸ばしたいのは山々なんだけど、スキルによってはゴミ以下に成り下がるからなぁ、そう考えると脚力と力に振り分けたりするのが無難だよなぁ。)


 振り分け後のステータス


 00000000000000000000

 Name 榊 零

 種族名 人族

 レベル 7

 HP  100/100

 MP  200/200

 力   45

 魔力  20+100(称号の効果)

 防御力 40

 脚力  60

 HP再生力 0.001

 MP再生力 0.2

 精神力(SAN値) 91

 グリムアーツ

 槍術(E)

 スキル

 ・ガチャ(一日一回ガチャを回すことが可能、出る中身は完全ランダム)

 ・自己鑑定

 ・雷魔法(下級)

 称号

「異世界に転生せし者」(効果は、レベルアップ時におけるスキルポイント取得量に補正、魔力に100の補正、スキル自己鑑定の付与)


 ステータスポイント 13

 111111111111111111111111111



「なんというか、力が漲ってくる感じがするな。」


「それにしても自分の好きなように能力をカスタマイズ出来るだけでも自己鑑定のスキルの有能さがわかるな!」


 時が経つのは早いものでもう日も暮れてきていた。


 崖下に戻ってきて早々

「異世界生活三日目にしてやっとまともに食事出来る!」

(猪を討伐出来てよかった!雷魔法のおかげで火もつけられる)


 軽く猪を炙る事30分後くらい


「こんくらいでいいだろ」

 そう言い食べようとする零、


「いや!くっさ!?」


 そう、獣臭かった!

 臭みを取る事をしなかったので当然である。


 それでも腹に入れなきゃと格闘する事小1時間、どうにかして食べ終わった頃には辺りは完全に暗くなってしまい、焚き火の火が目立つ。


(火を消すのは勿体無いけど、消すしかないよな)


 他の魔物にバレるよりも消したほうがいいと判断。


 そして眠りについた。

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