第2話 『美咲とお買い物。いろんな人との出会い』

「おはようー…っと。向こうの世界に行ってみようかな?美咲居るかな?」

 携帯を手に取り、REAL CITYにログインする愛梨。


 REAL CITYの世界。

「えーっと、確かポイントが…あったあった。それでショップがぁ…」

「あ、愛梨ちゃんだ。おはよー!」

「え?」

 美咲に声を掛けられ、振り返る愛梨。

「どうしたの?どこ行くの?」」

「ああ、ちょっとショップに。おはよう。ていうか美咲ログイン早くない?」

「そう?」

 急に声を掛けられ驚くと美咲が居て、美咲のログイン時間を見ると2時間前。

 現在の時刻は。10時15分。

 どう考えても、美咲のログインが早いのだ。

「だって、2時間も居たことになるじゃない?その間何してたの?」

「え?ああ。ショップ見に行ったり、お友達の所に居たりしたよぉ?どうして?」

「あ、そうなんだ?私はまってる間配信していたよ」

「そう言えば愛梨ちゃん」

「どうかした?美咲」

「チケットって持ってる?」

 キョトンとしながら愛梨の顔を覗き込む美咲。

「チケット?」

「愛梨ちゃんみたいなREAL CITYを始めたばかりの子ってね?初心者チケットが貰えるんだよ。ある?」

「んー?」

美咲に聞かれてチケットを探す愛梨。

「あ、これかな?」

一枚のチケットが入っていて、首を傾げて美咲に見せる愛梨。

「あ、そうそう!そのチケットだよ。じゃあそれ持って、ショップのエリアに行こう?」

「うん、どっち?」

移動しようと歩き始める愛梨と美咲。

「ガチャはねぇ~、エリア移動したら割とショップが出てきてその隣なんだよねぇ~。ガチャが洋服とか売ってる本体なんだけどさ」

「へ~」

美咲に教えてもらってショップのガチャを引く愛梨。

「わっ!何か服一式出てきた!え?あ!髪も!え?え?すごーい!」

初めてのことで感動する愛梨とそれを微笑ましく見てる美咲。

「え?何?なんか…変?おかしいかなぁ?」

出てきたアバター一式に着替えて少し不安そうな愛梨。

「ううん、可愛い可愛い。愛梨ちゃんいいな~」

「な、何が?」

お姉さん風を吹かせる美咲と、キョドってない落ち着かない愛梨。

「え?だって私の時はそんな可愛いの出なかったからさ」

「そういうもん?」

「たーぶん?あ、じゃあ着替えたんならこっち行こう」

今度は美咲にお花見エリアへと連れて行かれる愛梨。

「うっわぁぁぁぁ!綺麗ねぇ!!」

バーチャル世界の中の沢山の桜達を見て、大ハシャギの愛梨。

「そんなに嬉しいの?よかった連れて来て」

はしゃぐ愛梨を見て、微笑む美咲。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

REAL CITY 櫻 愛梨 @sakuraeri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ