REAL CITY

櫻 愛梨

第1話 『機種変からのデビュー』

「ふんふふふーん♫」

 私の名前は櫻 愛梨さくら えり


 202X年、愛梨は機種変をして、携帯ショップから出てきた。

「携帯触るの楽しみだなぁ~。家に帰ってからゆっくり弄ってみよう」

 そう呟き、家に帰る愛梨。

 

 櫻家

 愛梨の部屋。

「買い替えたし、データ入れ替えちゃわないとなぁ~」

 元々使っていた8と新機種の12Proを両隣に置き、データ移行する。

「あれ、そう言えば・・・。これ見覚えがない」

 そのアプリとは、「REAL CITY」。バーチャルを体験できるアプリだった。

 これが私、櫻愛梨さくら えりと「REAL CITY」の出会い。

「明日、やってみようかな?あ!新規登録だけしておこうかな?忘れちゃわないうちに…。ふんふふふーん♬」

 気楽に鼻歌を歌いながら新規登録を進めていく愛梨。

「えーと、IDの登録とパスワードの作成・・・でーきたっとって、あれ?」

 携帯が光ったことに気付く愛梨。

「え?」

 辺りを見回していると、そこは自分の部屋ではなかった。

「此処…は?それに私の服は?」

 部屋はおろか服装まで違って居たのた。

「携帯…携帯…」

 携帯を探し、ネッ友の中で一番仲のいい「美咲」のdiscordを開く愛梨。

「美咲…美咲っと。もしもしー?私だけど今いい?」

「えー?あー。愛梨ちゃん。うん、いいよ。どうしたの?」

「あのね、私機種変したら「REAL CITY」とか言うアプリがあって、ログインしたら吸い込まれて…」

「あー、じゃあ。「REAL CITY」の中に居るんだね?」

「そうなの!ここどこ?ってか何?」

「あー…もしかして「スマホに吸い込まれたァ!」とか思ってる?大丈夫、

 安心して。一定時間になったら戻れるから。」

「あ、そうなの?」

 美咲の言葉を聞いて安堵する愛梨。

「ていうか、そういう事は早く言いなさいよ!」

「え?だって機種変したこと知らないし」

「あ・・・そっか」

「REAL CITY」のデビューおめでとうそういえばはお買い物とかはしたの?」

 そう電話越しに、嬉しそうに話す美咲であった。

「お買い物?」

 キョトンとする愛梨。

「そうそう。洋服とかがガチャショップで買えるよぉ?」

「へぇ~、そうなんだ?私バーチャル初めてでよくわかんないや」

 笑い合う愛梨と美咲。

「そういえば今配信やってるんだけど、よかったら来る?」

 そう、愛梨に声を掛ける美咲。

「配信?」

「そう。愛梨は別のアプリでもしてるでしょう?でもそれとは違って、ただの雑談じゃなくって、身振り手振りが動かせたり、ガチャショップでお買い物した洋服に着替えられたり出来るのよ?」

「へぇー、楽しそう」

「おいでよ」

「いいけど、アカウント知らないけど?…あ、これを検索すればいいのね」

 不思議そうに愛梨言うと、DM通知が来ているのに気づいてDMにIDが書かれており、検索する愛梨。

「此処に居るのね、行きましょう」

 スタスタとバーチャルの中を歩いて向かう愛梨えり









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