第3話 王都まで

 王都までの道のりは快適とは言えなかった。それでも景色には飽きなかったので王都までは退屈することなく過ごせた。


 御者にお礼を言い、王都に入る為に列に並ぶ。どうやら身分確認をしているようだ。


「次の方」


 僕の番だ。


「王都へようこそ。何か身分を証明できるものをお持ちですか?」

「持っていません」

「では、仮身分証を発行するのに1500円かかりますがよろしいですか?」

「はい」


「こちらが仮身分証です。有効期限は2週間なのでお気をつけください。」

「ありがとうございます」


 王都に入ると物凄い数の人がいた。これだけの人がいれば歩くだけで疲れそうだ…。ひとまず宿を見つけなければ。ギルドを探すのは明日からにしよう。


 しばらく歩いていると宿を見つけた。


「すみませ〜ん」

「いらっしゃいませ!」


 可愛らしい女の子が受付をやっていた。


「部屋ってまだ空いてますか?」

「はい。空いてますよ!」

「じゃあ、半年お願いします」

「分かりました。朝食がついてるので9時までには食堂に来てくださいね」

「分かりました」

「では、こちらが部屋の鍵です」

「ありがとうございます」


 部屋に入るとドッと疲れが襲ってきた。初めてあんなに長距離を移動したし、あんなに人がいる場所を歩くのも初めてだった。


「さっさと寝よう…」


 僕はベットに入るとあっという間に眠りに落ちた。








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