第2話 出発

 王都に行くと決めたのなら準備をしなくてはならない。


 


 この世界にはダンジョンがある。


 ダンジョンは塔状になっており、下に行けば行くほど強い魔物がいる。

 しかし下に行けば行くほどいい武器や防具がでる。


 魔物を倒すと一定の確率で宝箱がドロップする。その中に武器や防具があるのだ。


 また、この世界には生まれつき持っている能力がある。星0が能力無し、星1が日常生活で使える程度、星2が弱い魔物を倒せる程度というように星の値が増えれば増えるほど能力は強くなっていく。


 この世界の人は18歳になったら教会に行き、自分の能力を調べてもらうのだ。


 ちなみに僕は今年で20歳になる。そして星0である。




 幸い生きていくだけの貯金はあったので、後は武器と防具だがそれらは王都で揃えればいいだろう。食料は予め1週間分を買っておいた。



 気がつけばもう12時半を過ぎていた。馬車が到着するのが13時なのでそろそろ家族たちに別れを告げなければならない。


「母さん、僕が沢山お金を稼いで病気を治してあげるからね」

「ありがとう…。気をつけてね…」


「じゃあ、行ってくるよ。母さんは任せるぞ」

「うん!」


 その時、馬車が到着した。


 弟は大きく手を振って送り出してくれた。僕はそれに小さく手を振って応えた。


 そして馬車に座り直し目を閉じた。

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