【其ノ二 (1)】
其ノ二
神使候補の朝は早い――。
夜明け前。薄明の兆しが見えるより先に祠から起き出して、まずは沐浴抒溷。
入念な毛繕いでこの身を清めるところから、一日が始まる。
そう。ワイは最早、一介の畜生ではなく、〈神に選ばれし〉ケダモノなのだ。
「……だったらいい加減、自分で起きるようにしてもらわないと。こう見えて俺も忙しいんですがね」
……オホン。
禊を済ませたら、次は境内を入念に回って、夜の間に溜まった陰気を祓う。
もし小動物の死骸などがあった場合は、それを咥えて隣の畑か、道路の向こうの用水路などに捨ててこなければならない。神前に穢れは禁物だからだ。
ワイがこの仕事を怠ると、この山の主は朝っぱらから少なからぬ精神的ダメージを受け、目に見えて機嫌を悪くする。神様連中というのは、さも無敵であるかのように思われがちだが、実際には血や死や汚物といった闇属性っぽいものに極めて弱いらしい。
偉そうな顔をしているわりに、グロ耐性激よわ揃いらしい。
「丹吉。そう思うなら、毎朝あちこちにマーキングして回るのをやめてもらえませんか。最近すっごく臭ってるからね、この山。とち子も怪訝な顔してましたし」
エヘン! エヘン……、オホン!
……え~、まあ大体そんなようなお勤めを終え、日の出を迎える支度が出来たら、我々神使は朝日と共に本殿よりいずる弁才天を境内にて伏して待ち――。
「神使〈候補〉。丹吉はあくまでもまだ見習いです。それと、丸まって二度寝しちゃうのは〈伏して待つ〉ことにはなりません」
ングッ、グググッ……。
「――ああああああああああああ!! めちゃくちゃうるせえなぁお前、ちょっと黙ってろよ!! 何なんだよ!」
「丹吉こそ何なんですか。ハッキリ言って今の丹吉は、その辺の野生動物と大差ないですよ。まずその事を自覚してください。朝、俺に起こされると寝ぼけまなこでノソノソ藪に潜り込んで小便をし、申し訳程度に毛繕いをしてから地面を嗅ぎまわり、その辺に転がってる昆虫の死骸を食べ、またすぐに寝る――」
「えっ!? い、いや、いつも食べてる訳じゃないし。ついスナック感覚でその……、ていうかお前は覗き見が趣味なの? 仕事もしないでずっとワイの行動を見てんの? つきまといですか?」
「俺に虚無を眺める趣味はありません。これが野良狸の生態観察VTRだったら完全に早送りされてる部分です、見たくて見てる訳がない。見るのも仕事だから見てるんです――あのね、丹吉がきちんと日々のお役目をこなし、妖怪退治に向けて研鑽を積んでくれれば済む話でしょ。いつまでもこんな状態が続くと俺も迷惑なんだ。頼むから真面目にやってください」
……なんだ偉そうに。先輩ヅラしやがって、この黒蛇。
ワイはイラつき、フゴフゴ鼻を鳴らしてその辺の地面を掻きながら、くるくる回った。
「蛇、あのな。お前もわかってるとは思うが、里山の狸っていうのは本来夜行性なの。別に昼間でも活動できるけど、生活サイクルを切り替えるには時間がかかる。やれば出来る子のワイを信じて、もう少し長い目で――」
「丹吉は単に寝穢いだけですよね。なんなら動物園の狸より酷い。町内のパトロールだって、無暗にウロウロきょろきょろしてるだけで、花の匂いを嗅いだりドングリを噛んだり、ダンプカーに驚いたり、たまに飛行機雲を見上げたりして、日が暮れたら帰ってきて寝る、ただそれだけ。マジでなんっっっっにもしてない。まさに空っぽ。虚空。ボイド」
「空っぽ……。空? 即ち色? ふ~む……」
下顎をさすり、ワイは師走の徳島の空を見上げる。
北極の氷のように冷ややかな青と、白い積雲のコントラスト。西高東低、冬型の気圧配置。
目に見えぬ力が雲の形を様々に変化させつつ、一定の速度で、東の空へ押し流してゆく。
――我々には、風、それ自体の姿は見えない。
風によって形を変える雲が見えているだけ。
「……なるほど蛇よ、お前の言い分も尤もではある。しかしあの空を見よ。有為転変は世の習い、ワイもお前も、いくらポジションに固執したところで、全ては縁起の定めによりて――」
「狸の分際で仏性があるかのように振舞わないでください」
「おっ、お前。それは差別ですよ……」
ワイはワナワナと前足を震わせ、大変傷ついたというそぶりで項垂れてみせた。
が、蛇は無表情にチロチロ舌を出すばかり。気まずそうな顔ひとつしない。
ファッキン変温動物。
「……もう小芝居はいいですか? では、パトロールに行きましょう。今日こそ呑気にお散歩するんじゃなくて、きちんと両目を光らせて見回りしてください。里が平和なのは勿論結構なことです。が、丹吉の本来の任務は妖怪退治。さっさとその実績を解除しなきゃ、元来気の長いほうではないプチ弁天がある日突然ブチ切れて、丹吉を石に戻してしまいかねません。もしそうなったとしても俺は驚かないですよ」
そう言い置くと、蛇は紫色の光沢を放つ真っ黒な鱗を波打たせ、弁天山山頂の境内からするすると滑り降りてゆく。ワイは溜息をひとつ漏らし、この身の不遇を嘆きながら、また空を仰ぐ。
「だからそれ、マジで言うとるんか……。流石にちょっと、時代錯誤感が否めんのと違うか? なぁ?」
というか、何だよ実績解除って。この蛇忙しいって言いながら、結構ゲーム実況とか観てるんじゃないのか。
やれやれ……。
*
陰嚢の形をした岩石、即ち〈睾岩〉の中に封印される前のワイは、誰よりも自由であった。
まだ丁髷の連中が、色の悪い根菜類をうまいうまいと食っていた時代。里村も今ほど広くなく、山野も分断されてはいなかったので、ワイは国中どこへでも自在に出没することができた。
どういうことかと言えばつまり、狸は、藪から藪へ移動して暮らす動物なのである。
薄暗い茂みをかき分けながら面白いものを探し、たまに人里へまろび出てしまうことがあっても、ヤバいと思えばすぐに雑草の中へ飛び込んで身を隠せた。
それがどうだ。
なんだこの、莫迦みたいにポカンと拓けた道は。
平地を覆い尽くす、真っ平らなアスファルトは。
田畑の開墾は止むを得んとしても、ついでとばかりにあっちもこっちも敷き均され、残された樹々や草むらは離れ小島の如く、ぽつりぽつりと点在するばかり。
徳島県と名を変えてからのこの国の有様は、我々狸にとって、まったく不便利極まりない。
「……が、そこで人間どもの文明社会を安直に否定し、ヤレ自然破壊だの何だのと難癖をつけるのは二流のやることよ――本物の化け狸っていうのはね、時代が如何様に変貌しようとも、容易く順応して逆手に利用するくらいの器はマァ当然、持っておって然るべきちゃうかなァと、ワイちゃんは思うワケ。ワカル?」
「…………」
「見ろ。この自動車というやつも、実際乗ってみればめちゃんこ便利ではないか。ただこうして座っておるだけで、馬より速く移動できる。これほどのモノを走らせようと思えば、そらァだだっ広い道路も必要になろう。ワイは、道路整備事業大歓迎だと思いますね。なんならその辺の痩せ畑やら貧相な住宅やらも全部潰して、キチッと碁盤の目になるように道を敷き直せばいい。そうだ……、いっぺんこの国を全部更地にしてみては? なあ蛇、どう思う?」
「…………」
「お前、なんで返事をせんのだ。ワイを軽く見てるのか。先輩ヅラか? こら、蛇。……アッ! 見ろ、トマコが横切った! トマコだトマコ!」
平日の午前中。
方上町の県道を走るバス。
ワイは一番前の席に座り、流れゆく田畑を睥睨する。
他に乗客はおらず、まるでワイだけのためにこの巨大な車が運転されているかのようで、実に気分がよろしい。何より視線が高いのが良い。興奮する。
――と、突然。
車体がグオオオッと左に傾いたので、座席から身を乗り出していたワイは転げそうになり、慌てて目の前のパイプにつかまった。
ちょっと運転が荒いのではないかと思い、斜め前方の運転席に座る帽子の男を見やれば、そいつは若干怯えた顔色でこちらの様子を窺っていた。ハンドルを握る白手袋も強張っている。なんだ、運転に集中しろ、こちらは客だぞと憤慨しかけて、ハタと気づく。
「……あっ、いや、運転手殿。違うんですよ。ワイはね、ちょっとこう――お芝居の練習をしていたのですよ。ワイちゃんこう見えて役者でね。タッハッハッハ……」
そうか。だから蛇は返事をしなかったのか……。
ずっと独り言を言っている、変な奴だと思われたかも知れない。ワイはア、アエ~~、アエイウ~~、と喉を広げて発声練習してみせ、その場を取り繕った。
ほどなく、バスは立派な植え込みのある脇道へ入る。機械式のゲートを抜け、城壁と鉄格子で構成された巨大な門の前に横付けして停まる。
ブィィィ~ッ、とブザーが鳴ってドアが開く。
ワイはグッ、と顎を引いて立ち上がった。
「……着いたか。ここが、〈とくしま動物園〉……」
よし。
ズボンのポッケから小銭を取り出し、百円玉二枚を料金箱に入れる。
何故か頑なに正面を向いたまま微動だにせぬ運転手に、ワイはウインクする。
「サンキュー・ベリーマッチ」
ワイを降ろすと、バスは逃げるようにその場から去った。
さて、と……。
「――ぶっ殺すぞ」
「ギョッ、ギョッ……。な、なんだ突然、口の悪い」
「丹吉、あのねぇ……。丹吉は確かに化け狸かも知れませんが、今はプチ弁天に仕える身、無暗に人間を化かしていい訳がないでしょう。ナメてんのか」
「な、ナメてなんかないですよ……。落ち着いてください、蛇」
「いちいち突っ込むのも面倒くさいけど、じゃあまずこの恰好は何ですか? なんで喪服のオッサンになってるんです?」
「いやその、だって、ワイは妖怪探しが仕事なんでしょ。そんでお前は忘術を使うから、やっぱ連想するのは〈妖怪ハンター〉とか〈MIB〉な訳で。となるとワイも、黒服がいいかなって……」
「それで俺をネクタイにしてるんですか」
「はい」
自分で言うのもなんだが、この恰好、結構似合ってると思う。
ただ、どっちかって言うと元が元だけに、稗田礼二郎というよりミスター・ブロンドっぽいかもね。その辺はまぁ仕方ない。ワイは五、六歩ほど軽妙なステップを踏み、キメ顔で虚空を指さす。
タハッ。どう……?
「いや、流石にマイケル・マドセンは無理。精々、西田敏行だと思いますよ」
「……〈刑事どん亀〉!!」
ワイはショックを受け、思わずちょっと泣いてしまい、ネクタイをガブガブ噛んだ。
犬歯が刺さり、蛇は身をくねらせる。
「いてててて――」
「取り消せ……、取り消せ!」
「いてて、いや、取り消したくても取り消せません。俺は神使だから、丹吉と違って嘘がつけない――」
「ああっ! コイツ、また先輩ヅラしやがったな! こんの野郎ゥゥ!!」
何でもかんでも思ったことを口にしていい訳ではない。西田敏行は確かに名優だが、スタイリッシュなイケおじでありたいと願うワイの理想とは合致せぬ。
くそっ。やっぱりまだ、化けぢからが本調子ではないのだろうか……。
「フゴッフゴッ。とにかくね、ここ数週間、弁天山周辺は散々歩き尽くしたけど案の定、妖怪のヨの字もない。となればもうちょい、この渋野町方面にも足を延ばしてみるしかないだろう。ワイの行動範囲がそのままプチ弁天の加護の範囲にもなる訳だし、それが広がること自体は、お前だって反対しないだろ」
「う~ん……」
「四の五の言わずに黙って巻かれてろ。……心配しなくても、帰りは徒歩で帰るから。もうバスは乗らない。さ、いこいこ」
ワイは入園料六百円を支払い、動物園の門をくぐる。
さっきのバス代もそうだが、この金はドングリではない。歴とした独立行政法人造幣局製造の、通常貨幣。ワイが間借りしている祠にも、ちょいちょい小銭が奉じられるので、それを普段から貯めてあるのだ。
このように、ワイはきちんと貯蓄ができるタイプの男だと思ってください。
安心してくださいね。
「誰に言ってるんですか?」
「黙れ」
寒空の下、ワイと蛇は人気のない園内をぶらぶら歩く。
変な鳥がいっぱいいるゾーンを抜け、カモシカがチラチラこっちを見る檻の前を過ぎ。
漸く到達したのが――。
「温帯プロムナード」
「……ここが目的地ですか?」
「そうだ。随分前になるが、とち子の視界で見て以来、いささか気になっておった」
コンクリートの壁で囲まれた展示区画。
壁に、「タヌキ」と書かれたポップが貼り付けてある。ホンワカパッパな雰囲気をアピールする手書き文字。
中に進むと、通路から見下ろす一段低い窪地に樹木が植えられ、ちんまりとした藪が作られている。
その木陰に丸まった、一匹の狸。
ワイの視線に気づき、そいつはこちらを見上げた。
細い鼻を持ち上げてスンスン、と鳴らす。
黒い毛並みに、潤んだ瞳。
ワイは一歩、彼に近づく。
二匹の狸が見つめ合う。
「…………」
「…………」
「――何見てンだてめぇここはオレの縄張りだぞやンのかオラァアアアアア!!」
「――あンだとそりゃコッチのセリフだこの糞餓鬼ブルァアアアアア!!」
「丹吉落ち着いてください」
「殺すぞ!! 殺すぞ!!」
「はぁあああ? 何? 何て? ただの狸が? ワイを? この化け狸様を?」
「丹吉落ち着いてください」
「殺すぞ! 出て行け! オレの家から出て行けクソジジイ!」
「ああ出て行ってやるよ! 出て行ってやるよ! お前はここでずっとレッサーパンダの前座やってろ! バーカ!」
プイッ、とワイは背中を向けてその場から走り去った。
めちゃくちゃムカつく餓鬼だった。
頭に血が上り、フゴフゴ言いながら周囲を見回す。さいわい他の客の姿はない。
まぁもし見られていたとしてもタヌキ語の会話、つまりワイと狸が甲高い声で鳴き合っていただけなので、問題はあるまいが……。
「ありますよ。つまみ出されますよ動物園から」
「……だって、なんか、無礼な……、腹立つ奴だったから。フゴッフゴッ」
「喧嘩になるに決まってるでしょう。会ってどうするつもりだったんです。同族だから逃がしてやろうとでも思ったんですか」
「フゴッフゴッ……」
いや、まあ――。
そうと決めて来た訳ではなかったけれども。
もし本人が出たがっているようなら、出してやってもいいかな、というくらいの腹ではあった。しかし、余計なお世話だったようだ。
「そりゃそうです。動物園というのは可能な限りストレスの少ない環境で、彼らを飼育している。食うには困らないし、病気になっても治してもらえる。野良なんかより遥かに長生きできる」
温帯プロムナードの出口で、ワイはフスーッ、と嘆息した。
振り返ると、そこに展示されているカワウソ二匹が目をまん丸にして背伸びし、キョロキョロとタヌキ舎の方の様子を窺っていた。
「……でもここじゃあ、自由がないではないか」
「自由って何です。未来が不透明なことですか」
「いや、その……。何だろう。あるがままの生、というか」
「彼は、あるがままに生きていますよ。囲いの外の狸たちと違いがあるとすれば、それは単に環境の差。人間が作る環境か、それとも他の野生動物や地形・天候が作る環境か、というだけの差でしょう。違いますか」
「…………」
ワイはトボトボと園路を歩く。
遠くの方に、孫の手を引く老人の姿が見える。
どちらも随分と厚着である。毛糸の帽子をかぶり、マフラーまでしている。
考えてみればこの季節に背広一枚というのは、少々奇異に見えるかも知れない。
ワイ自身は冬毛があるから平気だが、そもそもこのお目付け役のパイセンだって、神使でなければ冬眠している時季だろう。
ワイは化け装束の胸元に手を入れ、ぞろりと真っ赤なストールを引っ張り出し、それを巻いた。ネクタイが隠れたので、蛇の声が少しだけ聞こえにくくなった。
「ありがとうございます。少し寒かったので」
「別にお前のためじゃない」
真新しいミーアキャット舎は巣穴の断面がガラス張りになっており、土中で団子になって眠っている姿が覗き見出来る。
その隣で飼われているライオンは、人工の丘の上で――おそらく中にヒーターでも仕込んであるのだろう――こちらに股間を見せびらかしながら、ゴロゴロしている。
なんという巨大な顔面であろうか。腑抜けた表情をしてはいるが、その頭は人間一人では抱えられないほど大きく、流石にちょっとひるんでしまう。
見物用のベンチに六十代くらいの女性ふたりが座り、右へ左へと転がる肉食獣の睾丸を眺めながら、のんびり世間話をしていた。ワイはそそくさとその前を通り過ぎた。
さらにその先のフラミンゴも、自分達に与えられたスペースの中で思い思いに集まり眠っている。
冬の動物園。
飼育され、呑気に昼寝をする動物たち。
「……丹吉は、人間を動物だと思いますか」
「そりゃあ、思うよ。あいつらだって交尾して子を産むんだし。根は畜生と同じだ」
「なら一方で、猿が道具を使ってエサを獲るのは、不自然だと思いますか」
「……それは、蟻の巣穴に棒を突っ込むみたいなアレを言ってんのか? エテコウが何を使おうが、別にあいつらの勝手だろ」
「だとしたら、この世の人間たちの所業もすべて、自然だということになります。そこにあるのは程度の差だけで、本質は同じもの」
「チッ。御高説を頂戴しなくてもわかってんだよ、そんなことは」
人が為すこともまた、世の理の一部。
ここへ来る途中バスの前を横切ったトマコ、つまり鼬も、さっきは助かったが、毎日のようにどこかで車に轢かれて死んでいる。
狸も轢かれて死んでいる。
だからどうという話ではない。この世とはそういうもの。
ワイは肩をすくめた。
「わかってんだ。色んな動物が一緒にいれば、死ぬ奴も出るさ……。また同時に、意図せざるとも他の動物によって、助けられてる奴もいる。可哀相な奴もしあわせな奴も、全部自然の輪の中――見えざる掌の上。それだけのことだろ」
「はい」
「……妙だな。ワイは、人間どもが思い上がってると腹が立つ性質なんだが。ついついワイまで連中を、自然の外にいるように見てしまう。良くも悪くも、特別扱いしてしまう」
「それは丹吉が結局、人間のことが好きだからでしょう」
「はぁ?」
「俺たちはそもそも、人間がいなければ存在しませんしね」
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