第5章 殺し合いが、始まる
1 能力者たち1
子どものころから勉強もスポーツもトップクラスの成績だったし、その美貌で男子からの人気も抜群だった。
だが一度として意に沿わない交わりを強いられたことはない。
栞にとって男とは自分に跪く存在であり、自分を貪る上位者ではないのだ。
(なのに、あの男は――)
下腹部に、まだ東雲の体の一部が入りこんでいるような強烈な異物感が残っていて、不快でたまらなかった。
(この私にこんな仕打ちを……)
ぎりぎりと奥歯を噛みしめる。
自宅マンションの前に一人の女が立っていた。
「ひどい目に遭ったみたいですね、栞さん」
「文香……」
彼女は近隣の大学に通う女子大生。
能力者仲間の一人である。
【氷竜眼】という遠隔視のような能力を持っていて、それで栞の様子を見ていたのだろうか。
と、さらに二つの人影がマンション内に現れた。
一つは少年。
東雲と同い年の男子高校生だった。
そもそも、彼と同じ高校だったはずだ。
もう一つは老人。
こちらは小柄な体格で七十代くらいの男だった。
「他の男にヤられたのかよ? くそ、僕にはガード堅いくせに……どうせなら僕にヤらせてくれねーかな?」
少年――松本がヘラヘラと笑った。
「お断りよ」
即答する栞。
「いいじゃん、減るものじゃないだろ」
「減る減らないの問題じゃないわ」
「ケチ」
松本はため息をつき、
「けど、東雲って僕の隣のクラスなんだよな……気を付けねーとな」
「暗殺しておいてくれるとありがたいんだけど」
「『殺人』なんておっかねー力持ってるんだろ。ま、チャンスがあればな」
栞の言葉に松本は肩をすくめた。
「僕はあくまでも安全圏にいることを優先するぜ」
「東雲を上手く殺せたら、ヤらせてあげるわよ?」
栞は彼に蠱惑的な視線を送った。
「私だって命がかかっているもの。あいつに呪いを受けている……それを解除してもらえるなら、一回や二回ヤらせるくらい、どうってことないわよ」
「いや、十回……いやいや、百回だ」
「……多すぎない?」
「前々から狙ってたんだよ、栞さんのこと。あんただって分かってるだろ?」
松本はニヤニヤ笑っている。
「あー……想像しただけで勃起してきた」
「下品」
秀麗で爽やかな顔立ちには似合わない下ネタに、栞は軽く顔をしかめた。
「ま、いいわ。成功したらね」
***
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