9 悪魔3
カクヨムコン8に向けて更新再開です!
本文のあと、読んでくださった方へのお願いがありますので、読んでいただけると嬉しいです~!
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「俺の望みだが――そうだな、まず俺はこの力で大勢の人間を殺している。それが俺の仕業だと誰にもバレないようにしたいんだ」
「つまりは証拠の隠滅か」
と、悪魔Aがたずねた。
「それと俺はどんな相手でも殺せる能力を持っているけど、俺自身の身体能力は普通だ。それをカバーするため、護衛を頼みたい」
俺はさっきヤンキーの一人に殴られたことを思い出す。
当然殺してやったが、もしもあのときヤンキーが全員で四方から殴り掛かってきたら、どうなっていただろうか?
最終的に全員殺せるだろうが、その前に大きなダメージを負っていた可能性もある。
まして、竜堂のような能力者に出会った時――相手が身体能力をアップさせるような『力』を持っていたら、俺は確実に殺される。
それをカバーするためにも、人外の能力を持っているであろう悪魔に護衛を頼みたい。
「我らは三体いる。分担してその役目に当たろう」
と、悪魔Bが言った。
「じゃあ、もう一つ望みを追加だ。俺以外の『能力者』の動向を探りたい」
俺は三つ目の提案をした。
「前に天使の力を持つ能力者にいきなり襲われた。不意打ちされるのは避けたいからな。この近辺にどれくらい能力者がいるのか。あるいは俺を襲ってきそうな奴がいるのか。その辺りの『調査』を頼みたい」
と、三体を見回す。
「つまりお前たちに頼みたいことは三つ――『証拠の隠滅』『俺の護衛』『能力者の調査』だ」
「では、我が『証拠の隠滅』を担当しよう」
「我は『お前の護衛』を」
「ならば、我は『能力者の調査』だな」
悪魔ABCが順番に言った。
「決まりだな。よろしく頼むぞ」
俺は奴らに言った。
俺は帰路についていた。
「人の目があるところでお前たちと会話するのは避けたいな……『念話』みたいなことはできるのか?」
「無論だ。必要ならお前が心の中で念じれば、我らはそれを感知し、同じように『心の声』で返答しよう」
「じゃあ、今後は俺が特に指示しないかぎり、基本的に『念話』で会話をしてくれ。ひと気のない場所や自宅などでは、やはり声に出しての会話の方が楽そうだから、それでいく」
「承知した」
――こうして一通りの打ち合わせを終え、俺は家に帰ってきた。
目的だった『兵隊』を増やすことは明日以降に回そう。
今日は三体の『悪魔』を手駒に加えるという、もっと大きな成果があった。
あとは――休息だ。
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