27 帰路に出現したもの2
【撲殺】。
読んで字のごとし、『殴り殺す』スキルなんだろうか。
殴るってことは、相手と接近戦をするってことで――。
「遠距離攻撃の【爆殺】や【呪殺】よりリスク高いよな」
うーん、これは外れスキルってやつだろうか。
ただ、レベルが上がって初めて使えるようになったんだし、外れとは限らない。
【撲殺】ならではの、なんらかのメリットがあるのかもしれない。
たとえば――。
「今日みたいな能力者同士のバトルで、とか」
あり得る。
竜堂だって【穿孔】の防御壁で俺の【爆殺】を防いでみせた。
この先、また別の能力者と戦うことがあるかもしれない。
そいつも竜堂みたいに俺の遠距離攻撃を防ぐ能力を持っているかもしれない。
そんなとき――近距離攻撃スキルと思われる【撲殺】を活かせる局面が来るかもな。
とりあえず、近いうちに【撲殺】のスキルテストをしておかないとな。
と、ステータスの近くに、前にも見た文字列を発見した。
――――――
能力者区分:神……1/4
天使……25/36
竜……10/12
悪魔……72/72
――――――
「ん……?」
わずかな違和感。
前と、数字が違う気がする。
「あ、そうか」
もしかして――『天使』のところが1減ってるのか?
ちょっとうろ覚えだから自信がないな……。
「ああ、メモしておくか」
この間はメモを取ることに頭が回らなかった。
俺はスマホを取り出し、扉を撮影。
さらに念のためにメッセージの内容を書き留めておいた。
ぎぎぃ……。
ふいに音が聞こえた。
「なんだ……?」
俺は目を凝らして扉を見つめた。
そして、ハッと気づく。
扉が、わずかに開いていた――。
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