第3章 能力者たちとの邂逅

1 二週間経過

 俺が【殺人チート】を得てから二週間あまりが経った。


 この二週間で俺の生活は激変したといっていい。


 人知を超えた能力によって、この世のあらゆる人間を、俺の気分一つでいつでも殺せるようになった。


 そして、俺をいじめていた連中のうち二人には報復を果たし、残りの三人には現在進行形で報復中だ。


「おはよう、山田、宮本」


 朝、教室に入ると俺は二人に声をかけた。


「っ……!」


 二人はおびえたようにビクッと体を震わせる。

 もちろん反抗の気配はゼロだ。


「お、おはよう……ございます」


 二人はそろって敬語で挨拶してきた。


「そんなにおびえるなよ。何もしないって」


 俺は笑顔で答えた。


「今はまだ、な」

「っ……!」


 息をのむ二人。


 怯える彼らを見るのは本当に気分がいい。


 まだまだ、俺が今までのいじめで味わった怒りや屈辱、恐怖や絶望――それらを返すまで、たっぷりといたぶってやる。




「よう、成瀬」

「あ、おはよう……」


 成瀬が挨拶をしてきた。

 あいかわらず美人だった。

 性格はともかく顔だけは一級品だ。


 そして体もいいのだから、俺がこいつに飽きるまでは殺すメリットがない。

 いつでもヤれる極上のセフレとして扱うだけだ。


「この間の話だけど――」


 と、成瀬から切り出してくる。


 そう、俺に女を紹介してくれるという話だった。

 なんだかんだ後伸ばしになっていたが、そろそろ紹介してもらおうかな。


「どんな相手なんだ?」

「うん、あたしのバイト先の子で、女子大生だよ」

「へえ、年上か」


 俺はニヤリと笑った。


「向こうも何人かセフレがいるみたいで……年下の高校生に興味あるって」

「最初からセフレ希望か。あとくされがなくていいな」


 俺は舌なめずりをした。








***

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