2 俺の兵隊


 セフレ候補の女子大生とは放課後に会うことになった。


 授業中も性的な興奮で下半身がギンギンに張り詰めていた。


 やがて昼休みになり、俺は校舎裏に向かった。

 放課後の『お楽しみ』の前に、やるべきことをやっておこう。


 案の定というべきか、校舎裏にはヤンキーの集団がいる。

 こいつらがいることは生徒の大半にとって暗黙の了解みたいになっていて、普通の生徒は近寄らない。


 屋上でヤンキー二十数人を爆殺したとはいえ、まだこの手の連中は校内にいるからな。

 どいつもこいつも厳めしい顔つきをして、スマホをいじったり、タバコを吸ったりしている。


「なんだぁ、てめぇ」


 ヤンキーの一人が俺に近づいてきた。


 ――【強制】を発動。俺に指一本でも触れれば死ぬ。


 俺はそいつを見ながら、能力を発動した。


「っ……!」


 そいつは怯えた顔で後ずさった。


 実はこの【強制】が相手にとってどういう風に作用しているのか、正確には分からない。

 俺が定めたルールを破れば死ぬ、というのは分かる。


 けど、相手はそのルールをどう察知しているんだろう。

 具体的なメッセージが脳内に響くのか?


 それとも漠然と……本能的な恐怖みたいなものが湧いて、行動を制限されるのか?


 ともあれ、こいつはもう俺に手出しできない。


「さて、本番だ」


 他の連中には別の【強制】をかけるつもりだった。


 ――【強制】を発動。俺を主として、俺の命令に忠実に従う『兵士』として動け。拒否すれば死ぬ。


「っ……!」


 その瞬間、最初に【強制】をかけた奴以外の全員がいっせいに体を痙攣させた。


「全員、俺に従え」


 傲然と言い放つ俺。


「はい、ご命令通りに」


 ヤンキーたちはいっせいに告げると、全員がその場に跪いた。


「まるで王様だな」


 俺は苦笑する。


 こいつらは『駒』だ。


 何かあったときは俺の『兵隊』として使わせてもらう――。


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