10 成瀬の体に欲望を吐き出す


 俺は成瀬の体に思う存分、欲望を吐き出した。


 間違っても恋に落ちるような相手じゃないが、十分に美少女といえるルックスだし、スタイルもいい。

 何よりもセックスが気持ちいい。


 当面、この女は生かしておこう。

 性欲処理の道具として、な。


 俺はほくそ笑みながら、コンドームを外して口を縛り、ゴミ箱に放り捨てた。

 それから隣の成瀬を見下ろす。


 彼女は性交の余韻に浸るように、荒い息を吐き出していた。

 こいつが気持ちよくなるかどうかなんて全然気にせずに、俺は一方的なセックスをしているけど、案外成瀬も楽しんでいたんだろうか?


 まあ、どうでもいいことだが。


「えへへ、すごくよかったよ、東雲くん」

「なんだ、それは? お世辞か?」

「っ……! ほ、本当だって!」

「お前が気持ちよくても悪くても、どうでもいいんだよ。お前は俺が気持ちよくなるために体を開けばいいんだ」

「……う、うん、分かった」


 成瀬が素直にうなずく。


「ねえ……あんたって、やっぱり……そ、その、人を殺す超能力みたいなのを持ってるんだよね?」


 成瀬がおそるおそるという感じでたずねた。


 こいつは屋上でのヤンキー集団虐殺を見ているし、俺が殺人に使える異能を持っていることは、ほぼ確信しているはずだ。

 今の質問はその確認だろう。


 俺はイエスともノーとも言わず。


「俺が【殺人】の力を持っているとして、お前はどうする?」

「まあ、予想通りというか……とりあえず、あたしを殺さないでね……なんでもするから」


 成瀬は媚びるような笑みを向ける。


「さっきも言ったろ。お前はセックスしたいときに利用する肉便器だ。俺を満足させている限り、簡単には殺さない。もったいないしな」


 俺はフンと鼻を鳴らした。


「けど、俺の不利になるような行動をしたり、俺を不快にさせたり……あるいはセックス面で満足を得られなくなったら、その先も生かしてやるかどうかは保証できない」

「っ……!」


 成瀬は弾かれたようにベッドから降りた。

 裸のまま、俺の前に土下座する。


「い、嫌だ、殺さないで……なんでもするから……お願い」

「今後も俺に逆らうな。いいな」

「は、はい、もちろんです。あ、前に言った話……その、他の女も紹介できそうです」

「へえ」


 俺は口元を緩めた。

 以前に、他の女を俺に紹介するという話をしていたのだ。

 当然、そいつもセフレ候補である。


「どんな女だ?」


 俺は欲望を高ぶらせながらたずねた。





***

〇『武術の神』と呼ばれたじいさん若返る。10歳の美少年になって無双&ハーレムの二周目人生を堪能します。

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