9 性欲処理のために成瀬を呼び出す


 ほどなくして、白い霧は消えてしまった。

 俺は元の場所に戻っている。


「今度こそ帰るか――」


 俺は自宅に戻った。

 両親が県外で仕事をしていることもあって、アパートで独り暮らしだ。


「……そうだ、ここに成瀬を呼ぶか」


 人を殺した後は、興奮状態になるせいか、妙にムラムラするときがある。


 成瀬というちょうどいい性欲解消の道具がいるからな、こういうときにこそ活用してやろう。

 俺はスマホで彼女を呼び出した。


「ごめんね、あたしの家、いちおう門限あるから……あんまり遅くまでは……」


 やって来た成瀬が申し訳なさそうに言った。


「門限なんてあるのか」

「まあね。ここに来るのもけっこう苦労したんだからね。友だちにアリバイ作り頼んだり……」


 と、成瀬。


「じゃあ、手っ取り早く済ませるか。シャワーを浴びてこい」

「ん、分かった」


 素直にうなずく成瀬。


 彼女としても手早く済ませて、帰りたいんだろう。

 まあ、成瀬が家から出て来づらくなると、俺としても気軽に呼び出せないからな。


 ここは彼女の門限を守れるように協力するか――。




「お待たせ」


 浴室から出てきた成瀬はバスタオルを体に巻いていた。


「タオル、借りたよ」

「ああ、早く来いよ」


 俺はベッドに手招きした。


 部屋の中は薄暗くしてあり、窓から月明かりが覗いている。

 俺は成瀬を抱き寄せると、貪るようにキスをしながら、むしり取るようにバスタオルを外した。


 肉付きの良い、健康的な裸身があらわになり、たちまち欲情が高まってきた――。


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