6 迷惑クレーマーを殺す
俺はコンビニのレジでクレームをつけてる迷惑客を殺すことにした。
ただ、方法をどうするか。
人の目がある場所で、派手に頭を吹っ飛ばすのはできるだけ避けたい。
ならば、佐藤を殺したときのように呪殺するか。
あるいは強制して、とりあえずこの場を収めつつ殺すか。
あるいは――。
『【爆殺】モードが成長しました。起爆を任意のタイミングで行うことが可能になりました』
頭の中で突然声が響いた。
「えっ、なんだ……?」
【爆殺】モードっていうのは、俺が最初に習得した相手の頭を吹っ飛ばすアレだろう。
今までは念じると即爆破って感じだった。
その爆破のタイミングを自由にできるってことだろうか?
何がきっかけで能力が成長したのかは分からないが、とりあえず試してみよう。
「任意のタイミング……か」
俺は男を見据え、念じた。
『今から十秒後に【爆殺】』
「おい、お前!」
と、男が俺に向かって怒鳴った。
「俺にケンカ売ってんのか? ああ?」
「もういいんだ。オッサン、俺は行くよ」
しっしっと手を振る俺。
すでに処刑は執行されたのだ。
あとは――時間を待つのみ。
「ああ? おい、待て」
「じゃあな」
あまり構っていると、俺がこの場にいる間に【爆殺】が発動してしまう。
足早にその場を去り、コンビニを出た。
「……っと、どうなるかちゃんと確認しないとな」
窓から店内の様子を確認。
男はまだレジのところでクレームをつけているようだ。
……早く死ねよ、クズが。
心の中で思わずつぶやく。
そして、さっき俺が能力を発動してから、きっかり十秒後――。
ぼんっ!
男の頭が粉々に吹き飛んだ。
血が降り注ぎ、レジの女性や店内の客たちがいっせいに悲鳴を上げる。
「おお、ちゃんと発動したな」
こいつは使える――。
今は十秒後にしたけど、もっと先の時間……たとえば数時間後とかにすれば、現場から俺が遠く離れた状態で対象を殺すことができる。
完璧なアリバイが手に入るわけだ。
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