第2章 気に入らない奴らを次々と殺す
1 これからのこと
不良たちが屋上で死体になっていた――。
その総数は二十七人。
ほとんどの死体は脳内血管に小さな損傷があり、それによる脳出血が死因だと思われる。
事件は大きく報道された。
俺の予想を大きく上回るほど、すごかった。
学校側は緊急の保護者会を開き、事態の収拾を図ったが、生徒たちの動揺は収まらなかった。
当然だ。
俺だって当事者でなければ、間違いなくパニックに陥っていたと思う。
だが、俺は違う。
俺は自分が『犯人』ですべての事実を知っているおかげで、冷静に状況を俯瞰することができた。
これだけ大量の人を殺したというのに、あいかわらず罪悪感はなかった。
まあ、いずれも死んで当然の連中だと思っているからな。
他人を傷つけることを厭わない連中が、その報いを受けた……それだけだ。
殺すのは過剰かもしれないが、仮に半端な『罰』を与えることができたとして、奴らは更生するだろうか?
まず間違いなくしない。
なら俺が『抹消』して、なんの不都合がある?
むしろ、これから奴らに傷つけられるであろう未来の被害者を、俺が救ったことになる。
俺は正しいことをしたんだ。
「……それにしても」
俺は集会での教師たちの説明をほとんど聞き流しながら、自分の手を見つめた。
なんの変哲もない、ただの手。
ただ『死ね』とだけ念じれば、対象が死ぬ。
そんな力が自分にあるなんて、いまだに信じられない。
しかも、それを自在に使うことができる。
なんとも不思議な気分だ。
まるで漫画やアニメの主人公みたいじゃないか。
「東雲くん……」
集会が終わると、後ろの方に座っていた鈴木さんが話しかけてきた。
「ん?」
「大丈夫?」
「えっ」
「暗い顔してるから心配になって」
俺をジッと見つめる鈴木さん。
至近距離で見ると、やっぱり――可愛いよな。
成瀬みたいな性欲解消目的の女じゃなくて、ちゃんとした『恋人』なら鈴木さんみたいな女の子がいい。
……などと考えつつ、俺は彼女に微笑んだ。
「いや、ちょっと考えごとをしてたんだ。平気だよ」
「そう……よかった。あ、よかったなんて言っちゃ駄目か。大勢の生徒が亡くなったものね」
「それはそれ、これはこれだ。心配してくれてありがとう」
俺は彼女に礼を言った。
「君こそ大丈夫か? 大勢の人間が殺されて、ショックを受けていたりしないか?」
「うん……大丈夫とは言えないけど……」
「何かあったら、その……相談に乗るよ」
言いながら、俺は自分自身の言葉に少し驚く。
『相談に乗るよ』なんて他人に言ったのは、生まれて初めてだ。
そもそも誰かと深くかかわったことが、俺の人生で一度もない。
悩み相談なんて行為をしたことも、されたことも、一度もない。
単なる気まぐれだろうか。
勢いや衝動なのか。
それとも――。
俺の中で、何かが変わって来たんだろうか?
***
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