27 屋上の虐殺劇


 じゃあ、残った奴らをまとめて掃除していくか。


「調整版【爆殺】のテストも兼ねて……とりあえずヤンキーは皆殺しだ。お前ら同士で殴り合いさせても、『殺し合う』ところまで行かないし、だんだん飽きてきたからな」


 俺はニヤリと笑った。


 もはやヤンキーたちは真っ青を通り越して、真っ白な顔をしている。

 血の気の欠片すらない、って感じだ。


「じゃあ、お掃除スタートってことで――死ね」


 俺は静かにそう告げた。


 次の瞬間、ヤンキーたちが次々に倒れていく。


 今までの【爆殺】と違い、頭部はちゃんと原形をとどめている。

 見た目には外傷がまったくない。


 どうやら脳内血管の一部だけを正確に爆破しているみたいだ。


「死ね」

「死ね」

「死ね」

「死ね」

「死ね」


 俺は繰り返し命じた。


 ぱしゅんっ……。


 よく聞くと、小さな破裂音がする。

 奴らの脳内血管がはじけ飛ぶ音だろう。


 こういうのは警察で検視したら、どう判定されるんだろう。

 自然死なのか、事故死なのか。


 それとも――殺人なのか。


「うわぁぁぁぁぁ、殺さないでえぇぇぇっ!」

「助けてッ、助けてぇっ!」


 ヤンキーたちは泣き叫んでいる。


 俺はげらげら笑いながら、一人一人殺していった。

 もしかしたら殴り掛かってくる者もいるんじゃないかと思ったが、誰一人向かってこない。


 全員が恐怖で立ちすくみ、泣きわめいている。


「意外とメンタル弱いんだな、お前ら。いや、無理もないか。ははは!」


 たぶん……常日頃から、俺は心のどこかでこうしたかったんだろう。


 いわゆる不良を――殺したかったんだ。


 その望みを容易に叶えられる力を得て、俺の心から歯止めが消えた。


「よーし、気分がいいからどんどんいくぞ! ひゃっはー!」


 俺はさらに続ける。


「死ね」

「死ね」

「死ね」

「死ね」

「死ねぇぇぇぇぇぇぇっ!」


 やがて、不良をすべて爆殺し、残るは成瀬と山田だけになった。


「あ、あああああああああああああああ……」


 成瀬がその場にへたりこむ。


 床に小さな液だまりができていた。

 恐怖のあまり失禁したようだ。


「きったねーな。今日はヤるのはナシだな」


 俺は舌打ちした。


 成瀬はビクッと体を震わせ、


「こ、殺さないで……あたし、なんでもするから……お願いします……お願いじまずぅぅぅぅ……」


 心配しなくても、まだ殺さないさ。


 お前の体に飽きるまで、たっぷりヤらせてもらうつもりだからな。

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