25 社会のゴミたちを強制的に殺し合わせる1


「まずは――お前と、そっちの三人だ。お互いに殺しあえ。凶器を使ってもいいぞ」


 俺は中央にいる四人を指さした。


「それと俺に歯向かったら、その場で自殺してもらう。屋上から地面に向かって飛び降りろ。あ、飛び降りる前に、下に人がいないか確認しろよ。巻き添え被害を出しちゃ駄目だからな」

「ふざけんじゃねーぞ、てめぇ!」


 ヤンキーたち四人がいっせいに向かってきた。


「あーあ」


 俺は肩をすくめる。


「お前ら四人とも、死亡決定」


 直後、


「うっ!?」


 四人の動きが止まった。

 いきなりUターンすると、屋上の縁まで行く。


「ひ、ひいっ、体が勝手に――」


 当然だ、俺は【強制】しているんだからな。


「俺に歯向かった罰だ」


 俺はヤンキー四人に言った。


「死んで償え」


 次の瞬間、四人はいっせいに飛び降りた。


 ほどなくして、ぐちゃっ、という何かがつぶれるような音が鳴る。

 ……スプラッタな絵面だと思うから、あんまり直視したくないけど、いちおう確認するか。


 俺は屋上の縁まで歩いていった。


 見下ろすと、折り重なるようにして地面に倒れる四人の姿が見える。

 頭から血を流し、脳の一部が外にこぼれているのがグロかった。


「お、お前……」


 残ったヤンキーたちが怯えた顔で俺を見ていた。


「はは、ビビった? お前らも俺に歯向かったら同じことになる」


 俺はにっこりと笑う。

 こんなヤンキーたちを思うままに支配しているんだと思うと爽快だ。


「ほら、同じ目に遭いたくなかったら、それぞれ殺し合え。お前は、そっちの三人と。お前は強そうだから、周りの五人を同時に相手にしろ。そっちのお前は右の四人とな。あとは適当に組を作れ」

「ううう……」


 ヤンキーたちはいずれもひるんでいる。


 だが、先ほどの自殺シーンを目にしたからか、俺に向かってくる者はいない。


 完全に――俺に呑まれている感じだった。


「さあ、やれ!」


 俺はヤンキーたちに号令する。


「う、うああああああああああああああああっ」


 彼らは半ば自棄になったように、お互いに殴り合いを始めた。


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