21 いじめっ子に屋上に呼び出される

「ねえ、近所で殺人事件があったんだって」


 教室の自席に座るなり、鈴木さんが話しかけてきた。

 顔色が青い。


「この近くで連続してこんな事件が起きるなんて……私、怖い」

「大丈夫だ、鈴木さん。何かあったら、俺が守ってやるよ」

「えっ」


 俺の言葉に、彼女は驚いたような顔をした。


「いちおう男だし」


 そう言うと、鈴木さんはクスリと笑った。


「ん、似合わなかった?」

「だって普段そんなキャラじゃないじゃない、東雲くんって」

「やっぱキャラブレしてるか……」

「だね」


 鈴木さんはまだ笑っている。


「でも、気を遣ってくれて嬉しかった。ありがと」

「はは、本当に何かあったら、言ってくれよ。俺がそいつを――」


 俺は彼女を見つめた。


「ブッ飛ばしてやるからさ」

「うん、頼りにしてるね」


 にっこりと笑う鈴木さんは、やっぱり可愛かった。




 放課後――。


「おい、東雲!」


 山田が駆け寄ってくる。

 その表情から敵意がみなぎっていた。


「どうしたんだ?」


 俺は冷静な顔で応じた。



 内心はワクワクだ。


 こいつらからどうやっていじめられるんだろう?

 すぐに何倍にも何十倍にもして返してやるからな。


 今や絶対的優位に立っている実感が、俺に余裕を与えてくれる。


『いつでも反撃できるし、いつでも相手を破滅させられる』っていうのは、なんとも甘美な気持ちだった。


「田中と佐藤のことで話があるんだ。ちょっと屋上まで来てくれ」

「わかった」


 俺はうなずき、彼と一緒に移動した。


 途中、成瀬とすれ違った。

 彼女は俺と山田を見て、ハッとした顔になる。


「お、なんだよ、杏。お前も来るか?」


 山田が笑う。


「え、えっと……」

「ちょうどいい。お前も来いよ」


 今度は俺から成瀬を誘った。


「えっ、でも……」

「俺は『来い』と言ったんだ」


 再度告げると、成瀬は静かにうなずいた。


「わ、分かった……東雲くんの言うとおりにするね」





***

〇『武術の神』と呼ばれたじいさん若返る。10歳の美少年になって無双&ハーレムの二周目人生を堪能します。

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