20 俺は女警官に質問を受ける

 翌朝。


 通学途中、昨日の場所を通りかかると、警官たちが集まっていた。


 テレビドラマなんかでよく見かける『立ち入り禁止』を示す黄色いテープ。


 昨日、俺が殺した通行人に関して現場検証か何かをしているんだろう。

 警察の仕事の手順はよく知らないけど、彼らが俺を疑うことはあるだろうか?


 ――ないとはいえない。

 俺が最初に殺した田中と似たような死に方だからな。


 とりあえず、近づかずにソッと通り過ぎよう。

 と、そのときだった。


「――東雲涼介くん、ね?」


 一人の女性に呼び止められた。


 まだ若い女警官だ。

 そして、めちゃくちゃ美人である。


 思わず背筋がゾクリとするようなクールビューティだった。


「あの、僕に何かご用ですか?」


 俺は淡々とたずねた。


 過度にキョトンとした演技をしても、どうせ見破れて怪しまれるだろう。

 なんといっても、彼女たちは犯罪捜査のプロなのだ。


「昨晩、ここで殺人事件が起きたんだ。私たちはその捜査をしている」


 彼女が見た目通りのクールな口調で言った。


「何か不審なものを目撃していたら教えてほしい」

「……どうして僕に聞くんですか?」


 俺は彼女をジッと見つめる。


 もしかして、俺を疑ってるんだろうか?


 確かに、俺は現場にいたからな。

 相手はまったくの見ず知らずだし、人間関係の線から俺にたどり着くことは不可能だ。


 ただ、付近の目撃情報があったとしたら――。

 俺は奴に指一本触れていないし、物証はない。


 とはいえ、警察が俺に疑いを持つ可能性はあり得る。


 やっぱり、この第一の殺人モードは使い勝手がよくない部分があるな。

 殺人の際に、俺が現場から離れることが不可能なのだ。


「以前に見た捜査資料だと、君はこの近くに住んでいるんだろう? だから聞いただけさ」

「僕の住所なんてよく覚えてますね。もしかして、捜査資料って何百人も生徒の情報が載ってるんじゃないんですか?」

「ああ。その数百人分の情報を記憶している」


 本当かよ。

 単に、疑わしいところがある俺の情報を優先して記憶してるんだろ。


 そう思ったけど、俺は口には出さなかった。

 代わりに、


「いえ、何も見ていません。力になれなくてすみません」


 型通りの返事を返しておく。


「了解だ。もし何か分かったら、些細なことでもいいから警察に連絡してほしい。今回の事件は色々と難物でね……」


 言いながら、彼女が俺を見つめる。


 俺のすべてを見透かすような――。


 嫌な、瞳だった。





***

〇『武術の神』と呼ばれたじいさん若返る。10歳の美少年になって無双&ハーレムの二周目人生を堪能します。

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