9 成瀬杏

 上目遣いに俺を見上げる成瀬。


 制服の隙間から胸の谷間が見えた。

 けっこう巨乳だ。


「……ふん」


 俺は彼女に向かって鼻を鳴らした。


 性格はともかくルックスはいい。

 体つきもなかなかエロそうだ。


「ね、ねえ、あたしの体、けっこうエロいよ……ね? ね?」


 完全に媚びるような表情だった。


 あの成瀬が、俺にこんな表情を浮かべるとは信じられない。

 それだけ、田中と佐藤が立て続けに死んだことに恐怖を覚えたんだろう。


「とりあえず、ヤってから考えてやる」


 俺は成瀬の胸元に手を伸ばした。


 ぐにっ、と揉んでみる。


 女の胸をこんな風に触ったのは初めてだった。

 思った以上に量感があり、俺は一期に興奮を高ぶらせる。


 ――殺すのはいつでもできる。

 まずこいつの体を存分に味わわせてもらうか。


「がんばってサービスしてみろよ」

「う、うん……」


 成瀬はうなずくと、俺の前に跪いた。


 慣れた手つきで俺のズボンのベルトを外していく。

 俺は女性経験どころか、付き合った経験すらない。


 だけど、それを悟られたら、成瀬に舐められるだろう。

 だから、傲然とした態度を崩さず、仁王立ちしていた。


「お前の下の名前って、なんて言うんだ?」


 俺は彼女にたずねた。


 別に深い意味はない。

 ただ、この流れで行くと、俺は彼女を相手に初体験することになる。


 名前くらいは知っておいてもいいだろう。


「ん? あんだよ。成瀬杏」


 と、成瀬が言った。


「えへへ、あたしに興味持ってくれたんだ?」


 なぜか、少し嬉しそうにする成瀬。


「ただの好奇心だ」

「ふーん……?」


 小悪魔的な笑みを浮かべつつ、成瀬は俺のズボンとパンツを完全に降ろしてしまった。


「ドアから誰か来る気配がしたら、すぐに中断しろ。いいな」

「分かった。じゃあ、さっそく――ご奉仕しちゃいまーす♪」


 明るく言うと、成瀬は俺の股間に顔を寄せた――。




「ふう……すっごい濃厚なのが出たね……」


 しばらくして、成瀬は荒い息をついていた。


 口の端から白濁色の精液が糸を引いて垂れ落ちている。


 俺の方は陶然としている。

 生まれて初めて女の子にしゃぶってもらい、そのまま欲望のすべてを彼女の口の中に思いっきり注ぎこんだのだ。


「溜まってたの? っていうか、まだまだ元気だねー……」


 成瀬は微笑みながら俺の股間を見つめている。


「口だけじゃなくて、こっちでも……する?」


 成瀬は座ったままスカートを軽くめくり、股を開くようなポーズを取った。


 下品な仕草だが、欲情が高ぶっている俺には、この上なく魅惑的だった。

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