いじめられっ子の俺が【殺人チート】で気に入らない奴らを次々に殺していく話。

六志麻あさ@11シリーズ書籍化

第1章 殺人チート

1 俺は神様から【殺人チート】を授かった


 ――ああ、俺の周りにいる『悪いやつ』『嫌なやつ』を簡単に殺せる力があったらいいのに。


 ――絶対にバレずに、ただ心の中で思うだけで、人を殺せる……そんな力が。



 俺、東雲しののめ涼介りょうすけはある日、一つの『チート能力』を授かった。


 それは『念じるだけで人を殺せる能力』だ。


 普通の高校生である俺に、なぜそんな力が目覚めたのか。

 それは『神様』に出会ったからだ。




 ――その日、俺は学校が終わって帰るところだった。


「くそ、田中のやつ、思いっきり殴りやがって……」


 腹部を押さえながら舌打ちする。


 顔を殴れば派手な跡が残る――ということで、彼らはもっぱら胸や腹といった胴体部を狙ってくる。

 今日も放課後に面白半分に殴られ、まだその痛みが残っていた。


 なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。

 何も悪いことなんてしてないのに。


 スクールカースト底辺だからか?

 それは、そんなにいけないことなのか?


 こんな毎日が、後一年半も続くなんて耐えられない……。


『ならば、力でもって対抗すればいい』


 突然、声が聞こえた。


「えっ……?」


 幻聴か、と思った。

 周囲には誰もいない。


『幻聴ではない。我は神だ――』


 やっぱり幻聴だ。


『幻聴じゃないって言ってんだろーが!』


 あ、キレた。


 ……って、本当に幻聴じゃないのか!?


『さっきからそう言ってるんだが』


 俺の前で光が弾けた。


 一人の少年が立っている。


 年齢は俺より二つ三つ下――中学生くらいだろうか?

 背筋がゾクリとするほど綺麗な顔立ちをしている。


 そして、その全身が淡い光に包まれていた。


『話を戻そう。僕は君に力を与えるために来た』


 あ、最初よりちょっと砕けた物言いになってる。

 ……って、そんなことより、


「力……?」

『君自身が願っただろう? 理不尽な現実をはねのける力を――望んだだろう?』

「……!」


 少年の言葉に俺は息を飲んだ。


 確かに願ったし、望んだ。


 俺は理不尽ないじめをはねのける力が欲しい。

 それらすべてを吹き飛ばし、ねじ伏せる暴力的な力が――欲しい。


『だから、僕がそれを君に与える。その力をどのように使おうとも君の自由さ』

「……どんな力をくれるって言うんだ?」

『それは、超常の力。人の領域を超え、神の領域へと踏みこむための力』


 神様は謳うように言った。


『端的に言えば【殺人チート】だ』

「……もしかして、人を殺せる力?」

『ああ。君が念じるだけでどんな人間でも殺せる』


 説明する彼。


『ただし気をつけてほしいことがある。この能力は君の心に比例して強くも弱くもなる。常に強い心を持たねば……あるいは力に身を滅ぼされることもあるだろう』


 その言葉と同時に、俺の胸の中に熱が宿った。


 熱い――。

 燃えるような熱が胸の奥に収まる。


『今、力を与えたよ。あとは君次第だ』


 言うなり、彼の姿が消えていく。


「お、おい、待てよ。力を与えたって言われても、まだ何がなんだか――」

『言ったろう。あとは君次第、と。使い方も含めて、君自身が探っていくんだ』


 少年の姿はさらに薄れ、半透明になっていた。


「……俺が、探る……」

『せっかくの縁だ。君の人生に幸あらんことを……この殺戮の神「エルギアス」は願っているよ』


 その言葉とともに彼――エルギアスは姿を消した。


 俺はしばらくの間、呆然と立ち尽くしていた。


 やがて、一つの感情が湧き上がってくる。


 激しい喜びだった。


 ――これであいつらを殺せる。


 俺はさっそく『力』を試してみることにした。






***

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