第8話

高校に行って、ボクは、やはり美術部に入った。美術の授業で、初めて油彩画を習って、それに、はまっている。


副担任の先生は、女の体育の先生で、

「あやめちゃんは体育は女子のほうでやりたいの?」

って聞かれて、

「それでお願いします」

って答えた。

高校でも、先生方や、友達みんなに、女子のように見られていて、更衣室や洗面所も女子のほうを使うように設定してくれたから良かった。

高校では、美術や体育に、はまっている。


大学か専門学校も、ボクは芸術系に進学しようかと考えている。


高校の文化祭では、毎年美術部として、絵を描いて展示している。

部屋で、イレーヌちゃんに、ちょこっとモデルになってもらって、イレーヌちゃんの肖像画を描いた。ルノワールの肖像画のイレーヌちゃんみたいに。


高校の修学旅行は富士山に行った。5号目まではバスで行き、そこから頂上付近まで歩いて登った。途中に大きな鳥居もあって、そこをくぐったら、パーッと白い幻想的な霧、発生して、

「よく、ここまで登ってきてくれましたねっ」

って言って、富士山に歓迎されているようだった。

めっちゃ景色良かった。


高校生でもボクは女の子みたいなので、宿泊先に着いたら、先生に、

「入浴も女子といっしょで良いですねっ」

って言われて、女子のほうで入浴した。

女子みんな、何も気にせず、自然なことのようにしてくれていた。


イレーヌちゃんのお土産に、富士五湖のマリモを買って帰った。

イレーヌちゃんも、

「マリモめっちゃ可愛い~」

って言って喜んでいた。

「いっしょに富士山、登りたかった~」

って言ってた。


ボクは結局、芸術系の学校を受験して、進学することになった。

部屋の霊の女の子も、めっちゃ喜んでくれてる感じだった。たぶん、ずっと、ボクは部屋の霊の女の子、芸術家のような女の子に、高校時代も導かれてきてたんだろうなあ~って思った。


イレーヌちゃんは、なんと、現役で、東大に合格してしまった。イレーヌちゃんの部屋にいる、何かめっちゃ強力な学問的な霊のお方も、イレーヌちゃんのことを喜んでくれていることだと思う。

イレーヌちゃんのママもパパも、パリで喜んでいた。

「あやめちゃん、ありがとう!」って、お礼を言われた。

日本に恋するイレーヌちゃんは、大好きな日本で、日本のこととかをこれからも、いっぱい勉強していくんだろうなあ~。

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ボクと日本に恋するイレーヌちゃん ヤッキムン @yakkimn

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