第2話 生存者 5名

美佳「私にも分かるように説明して」


『…』


美佳と結衣は親友だった。だから結衣が…死んだって言ったら壊れるかもしれない。

美佳は結衣に依存していた。みんなは気づいて無いけど…


爽「僕が言うよ」


『いや、僕が言う。あれを見たのは僕だから』


爽「わかった」


『美佳。結衣は…首を切られて死んだ』


そう、例えるならばギロチンで切ったみたいに綺麗に切れていた。あいつ人間を引き摺っていた奴なたで結衣の首を切った。


美佳達は目を見開いた


美佳「うそ…だよね?」


祐希「そんな冗談お前が言うなんてらしくないぞ」


奈央「嘘よ…」


美佳「信じない…私信じない」


爽「首を…」


『嘘じゃないよ。そこに結衣の死体がある。見たいなら見ればいい。おすすめはしないけど…』


普段の僕らしくない事を言ってしまった。皆には冷たく聞こえてしまっただろうか。


祐希「あいつマジで結衣を殺すなんて…」


爽「嘘だとは思ってなかったけど、実際目の当たりにするとパニックになるもんなんだね…」


奈央「結衣…ぐすっ」


美佳「許さない。 死んでも呪ってやる。あいつは私が殺す…なんで結衣を…


美佳がボソボソ言った言葉は皆には聞こえてなさそう。僕は美佳が言ったことを聞こえないふりをして皆と職員室へ向かった。職員室へ向かう時空気がすごく重かった。


祐希「ここか…」


『あ、鍵あそこにいっぱいぶら下がってるよ』


爽「本当だね。」


奈央「ここに正面玄関の鍵があるわよ」


祐希「もう脱出出来るじゃねぇか」


美佳「私残る」


皆何となくは察せた。それを止める人もいない


美佳「結衣はまだ生きてる。死んでなんかない!きっと寂しくて泣いてる、私を求めてる!あぁ想像するだけで堪らない…!今迎えに行ってあげるからね…結衣」


目にハートがなっているような声色でそう言う。


まぁ気持ちはわからなく無いが。

恐らくもう美佳は壊れているだろう。祐希達はドン引き…というより恐怖を感じているように見える


『そっか…結衣と一緒に来るんでしょ?僕達は正面玄関で待ってるね。』


美佳「うん!待っててね」


『…気おつけてね』





奈央「ねぇ。あんなこと言ってよかったの?」


爽「そうだよ。美佳の為にも…」


祐希「あいつ結衣にどう言う感情抱いてんだ?」


『美佳の為に言ったんだよ。美佳はもう壊れてる。自分の愛する人が死んだんだから』


爽「愛する人って…」


『結衣だよ。美佳は結衣に依存してた。だから壊れた。ただそれだけだよ』


奈央「それは…美佳は結衣の事を恋愛的に好きということ?」


『あぁ。』


祐希「お前冷静だな」


爽「確かに。結衣が死んだ時、吐いていてとても冷静とはいえなかったのに何故」


『慣れた…というより諦めたんだよ。ここから出るのに』


祐希「もう出れるだろ?鍵もあるんだから」


『こんな簡単だとは思えない。ここは出られるだろうがこの後になにかある、そう考えた方が出れなかった時に絶望せずに済む。』


祐希「ここから出られるのに出られなかったらってどういう事だ?」


爽「廃校を脱出してもその後にまだステージかなにかがあったとしたら…という事だよ。」


祐希「成程?」


『美佳遅いな…』


奈央「あれじゃない?」


美佳が結衣を横抱きで抱えながら戻ってきた。

だけど抱かれている結衣は見ていられなかった。僕の後ろで奈央の嗚咽が聞こえてくる。爽と結衣は目を見開いて固まっていた


『それ、どうしたの?』


美佳「あ、これ?なんかさ、結衣の首が取れてたから縫ってあげたの!けどね、糸だけじゃダメだった見たい。てか何で結衣ずっと白目向いてるの?目、乾燥するよ?それとお腹からなんか出てるよ?それ結衣の臓器なの?じゃあしまわないと!え?そのままがいいの?分かった。」


『そうだね。目乾いちゃうね』


半分程ほどけた糸から見える結衣の断面。ぐちゃぐちゃになっていた。結衣の腹部からは臓器が飛び出していて、見るに耐えなかった。美佳がやったのでは無さそうだ。恐らくあの化け物が戻ってきたんだろう。それに美佳は結衣と会話しているらしい。


『もう…手遅れなんだね…』


爽「これ、止めなきゃだめなんじゃない?」


祐希「見てられねぇぜ。美佳のこんなところ。」


奈央「うぅっ…」


『そっとしておこう?』


祐希「何でだよ!お前も美佳のあんなところ見たくないだろう!」


『だってさ、僕たちが言った所で何が変わるって言うのさ、今美佳はボロボロ。結衣は死んでいると言えば何されるか分からない』


爽「それもそうだね…」


奈央「美佳は私達の仲間よ?そんなことするの?」


『美佳は結衣しか見えてないんだと思うよ。』


奈央「なんで分かるの?」


『…似たような人を見たことがあるから』


祐希「それってどういう…」


『とりあえず出ようか。』


爽「…うん」


祐希「あぁ。」


奈央「ぐすっ…うぅ」


ガチャ ギィィ


『!…開いたよ』


祐希「やっと出れる!」


外は木に囲まれていた。


爽「久しぶりの外だね。空気が美味しい」


奈央「そうね…」


『言うて久しぶりでも無いけどねw』


祐希「てかどこに行けば良いんだ?」


『…あっちから声が聞こえてくる。』


気づかなかったがよく見れば獣道がある。


爽「行ってみようか」


奈央「誰かいるかもしれないわよ」


美佳は一番後ろで結衣を抱えたまま何かブツブツ喋りながら着いてきている。そう言えば美佳はあの化け物を殺すと言っていたが…もう忘れたのか?嫌な予感しかしない。この予感が当たらないといいが…




獣道を歩いて約5分


祐希「もうすぐで抜けれそうだぞ」


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イツメン6人でデスゲームに巻き込まれました @kanomu

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