第十五話 ウィリップ②

 目覚めると不思議な光景だった、


 猫がいて、鳥がいて、そして鳥は剣を持っている、、、


「何この状況、、、」



 ウィリップは困惑した表情で、何がどうなってるか確かめたかった…


 しかし、目の前には、果実などの食料があり、自分が倒れた場所とは移動している、



「僕を助けてくれたの、、、?」



 ウィリップがそう尋ねると、黒色の毛並みをした猫は、ウンウンと首を縦に振った、


 か、可愛い


 ウィリップも思わず見惚れてしまうほどの可愛さだった、





 その後、僕は自分の体調を治し、この二匹と一緒に狩りをした、、猫の身体能力は凄まじく、バンバン魚を獲って行った、


 その姿をみて、自分の心が揺らいだ、獣人である僕は身体能力が高く生まれてくる者が多い、


 だが僕は、貧弱だった、獣人が一気に成長をする獣人化が使えず、精神的にも弱いまま、周りの人間は、獣人の中でも落ちこぼれだなっと言ってきたりする、だが僕の母は、


「ウィリップ、いいのよ、あなたはあなたらしく生きればいいのよ、」


 そう優しい言葉を掛けてくれる、


 でも僕は悔しかった、僕がもっと強ければ、お母さんが楽になったかもしれない、この猫のようにもっと動ければ、家族にたくさん食べる物を持っていけるかもしれない、、






 強くなりたい、




 それから僕は、谷のある穴を通って村に帰った、







 相変わらず、村の人々からいい顔をされない




「生きてたのか…」


「家族諸共死んでしまえばいいのに、、」


「相変わらず穢らわしいわ」




 そんな言葉も受けながら、家に帰っていく



「っ!ウィンお兄ちゃん!!!!!!帰ってきたのね!」


 家に入ると、妹であるテナテが自分の腹に抱きついてくる、、


「うっ、ごめんテネテ心配かけたね、」


 自分がしてしまった事を申し訳ないと思いながら、テネテに謝る、


「ほんとよ!一日も帰って来なくて心配したんだから!お兄ちゃんまでいなくなったらテネテ泣いちゃうよ!」



 上目使いで、そんなことを言ってくる、本当にかわいい妹だ、僕と違って妹は茶色の毛並みをしている、家族で僕だけが黒色の毛並みなのだが、特に気にしてはいない、


 人族から、悪魔憑きなどどーの言われることもあるが、母が気にしなくていいのよっと言ってくれるので全て無視している、


「っ!ウィリップ!!!!!!、、帰ってきたのね!」


 そんな事を考えていると、奥の部屋から母が出てきた、母はロングで茶髪、肌は本来真っ白だが今は薄汚れている、


「母さん!体調が悪いんだからゆっくりしててよ!」


 僕は母さんの体調を気づかい、安静にしてと言うのだがこの人は聞かない、


「何言ってるの!ウィリップこそ大丈夫なの?怪我はない?ずっと帰ってこなくて心配してたのよ!」


「うっごめんなさい」


「もう、全く、今度から母が体調良くなってから一緒に行きましょう、、、ウィリップ?そんなのたくさん集められたの?」


 ウィリップの腕には、咲と翔也と一緒に集めた魚や果実がたくさんあった、


「うん!猫さんと鳥さんがくれたんだ!」


「そう…なのね?とりあえずやすみなさい、疲れたでしょ、、、」


 サナは、そうウィリップに告げる、そして料理を作り始めた、



カサカサ…




「っ!?何か聞こえたわね?気のせいかしら?」



 それは気のせいではなかった、何故ならその屋根の上に、冬季達が来ていたからだ。








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