第九話 逃走
空を旋回する翔夜、その視界には、虎ような姿で白い斑点が体にあり全身が真っ赤な化け物に追われる江原の姿があった、江原はその小さい体を活かして、草木に体を隠しながら逃走するが、化け物の嗅覚が鋭いのか、すぐに見つかってしまう、
「おい翔夜!咲は大丈夫なのか!?」
「クッ相当きつい!やられるのも時間の問題だ!」
「嘘だろ!?おい翔夜!?なんか策はないのか!???」
「うるさい!!!!今考えてるんだ!!!」
「ちょっと騒いでないで私を助ける方法を考えてほしいわ!」
江原の声が聞こえる!?そっか!【絆】と【念話】の効果か!
翔夜はこの状況で自由に会話できるのはマジででかいと心の中で思いながら頭をフル回転させる、木々が多すぎて江原の姿が見えなくなってきている…さっきの場所は比較的空からでも見えたがこのまま真っ直ぐいくと上空からは見えなくなってしまう…
「江原!右に行ってくれ!そのまま真っ直ぐいくと俺たちの視界から見えなくなってしまう!」
森を駆け抜ける江原に翔夜は言う、
「そんな逃げてる身にそんな無茶なこと言わないで!こっちはもう死にそうなの!!!!!!!」
必死に咲も【念話】で伝えてくる、、、
その言葉からどれだけ必死なのかよく伝わってくる、
咲たちにとって高い木々を虎の化け物は雑草を踏み潰すかのように薙ぎ倒し咲に迫っていく。
そんな中翔は咲の逃げていく先が崖であることに気づいた、、
「この先は……崖だ……、、、谷があるのか…?」
この瞬間、翔夜の頭には一つの逃走方法が思いつく!
「あるかわからないし、、危険だが賭けてみるしかない!!!!!!咲!【嗅覚】のスキルを発動してくれ!この先は崖だ!!!!!!もしかしたらその下は川かもしれない!」
咲はその言葉を聞き、両目を見開く!
「まさか翔夜あなた!私に飛び降りろって言うの!?」
【念話】の中で叫ぶ咲、その気持ちはわからなくもない…崖から飛び降りるとはそれほど怖いことなのだ…
「あぁ!【嗅覚】で水の匂いを嗅いでくれ!あいにく僕の【飛ぶ】の飛行速度じゃ、君が崖に着く前に川の有無を確認できない!怖いと思うが!それしか作戦がないんだ!!!!!!」
「しょうがないわね分かったわ!私もそれに賭けてあげる!」
二人が覚悟を決める、
スキル【嗅覚】……
咲は匂いを嗅ぐ…森の木々の匂い…虎が今まで狩ってきた獣たちの生臭い血の匂い…多種多様な匂いを嗅ぐ中………これは水……?
反射的に【聴覚】を使用する
風の音や…木々の揺れの音が耳に入ってくる……咲はこの緊急時の中集中して……
「見つけた…」
一言そう告げる
「間違いないわ!!!!その谷の下には川がある!水が流れる音が聞こえたわ!!!!!!」
咲は【念話】でそう叫ぶ
「おし!崖までは後500mちょっとだ!、死ぬんじゃねえぞ!」
冬季はそう叫んだ!その言葉を放ってる内にも咲も後ろから化け物が迫ってくる…
「グオオオオォォォォcオcオ!!」
咲は、虎の化け物の攻撃を全て避け切り森を駆け抜けていく!
「ハッ、すげぇな、全部避けてやがる…」
その状況にこんな緊急時でありながら驚きの声が漏れてしまう…
「元々運動は得意だったからな…流石としか言えない」
翔夜も賞賛する
「ハァハァ…ちょっと崖は後どのくらいよ!人が死にそうなんだからそんな呑気にしないで!!!!!!」
咲はそんな二人を糾弾する、二人はそういえばそうだったと、あまりにも咲の運動神経が良すぎてこの状況を忘れていたのだろう、
「崖まで…後100mだ!」
「!!見えたわ、あれね、飛び込むわよ!」
咲がそう告げると同時に大きく飛んだ!そしてその眼下には予想通り川が流れていた、だが予想と違い…谷で川が挟まれていると思ったが…
河川敷があった
このままだと落下する!?と思ったが上手く川に飛び込めそう…そう安堵していると
影に覆われた…化け物も崖を飛び降りたのだ…まさかの事態、落下速度はあちらの方が上、咲に化け物の腕が届きそうになり…
「咲いいいいぃぃぃぃぃぃぃい」
その寸前で、急降下してきた翔夜が咲を掴み取った、
「あぁ!翔夜、助かったわ!」
咲は、自分が助かったことに安堵した、それと同時に疑問を浮かべた、なぜなら自分を足で持っていると言うことは、冬季はどこに行ったのだろうか、
「翔夜!冬季はどこ!」
その質問に翔夜は、
「崖から飛び降りた時点で、落下地点は大体予想できる、虎が飛び降りたのは予想外だったが、その行動、、、NGだよ」
翔夜は眼下で、虎が地面に着地したのを確認する、だが虎は気づいていない、自分の真上、正確には首元に、自分を死へと追いやる刃が向かっていることを、
「チェックメイトだ」
翔夜がそう告げる、【質量変化】で重さを虎の倍にした冬季が、、空から降ってきて、そのまま虎の首筋に刺さっていく…
「死ねぇ!化け物ぉ!!!!!!」
辺り一体に血飛沫が舞い、周りが青く染まっていく、そして翔夜はモンスターの死骸を眺めながら、
「へぇ…モンスターの血は青色なのか、」
悪者のような悪い笑いを受けべてそうな声色でそう告げた。
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