第六話 二日目の朝

晴天の空に…眩しい太陽が輝いている。

僕…小鳥遊翔夜は、目を覚ました、いつも通り体を伸ばそうとするが、思うように動かない、

ふと自分の体を見ると、


「そうだった、鳥になってたんだ」


すっかり忘れてしまっていた衝撃の事実、

そう僕らが異世界転生して、一日が経ったのだ、あの二人は……まだ起きてない、あいつらのことだからどうせ、夜遅くまで騒いでいたのだろう、その光景が思い浮かべられる、


「お腹……すいたな」


異世界転生したということで頭がいっぱいだったので忘れていたが、食料が全くないことに気づく、


「食料…どうしよっか…、」


周囲を見渡す、周りはまるで長年放置されてきたような墓地で、蔦が辺りに生え回っている、墓地の周りにはこの墓地全体を囲むような、石の塀があり、高さはあまり高くない、


((冬季がなった剣と同じくらいの高さだな))


その石垣もどうやら手がつけられていないようで、ところどころ崩れている、また塀の外は森になっていて、木々が生い茂っている


((こんだけの森があるんだったら、木の実ぐらいあるんじゃないか?))


翔夜は、森があるんだから、少しぐらい木の実があるんじゃないかと予測する、しかし


((問題はモンスターだ、この森にどのくらいの強さのモンスターがいるかわからない、おそらく今の僕たちは最弱キャラだろう、モンスターが現れたら太刀打ちするのは難しい筈だ、しかも、手に入れた木の実に毒が入ってる可能性は十分ある、見知らぬ場所の木の実なんて、僕の知識には入っていない、さて、、、どうしよか))


自力では解決できない問題があった、この問題をクリアできなければ、どのみち死ぬのは確定してしまう、、、


翔夜は解決策を考える、すると、


「んん…あれ…なんか地面が…硬いわね」


すうっとんきょうな声が聞こえた、声の主は江原だ、


「おはよ…どうだい?調子は?」


「別にどうってことないわよ、敷いて言うなら、お腹がすいたかしら、」


江原も翔夜と同じことを思ったそうだ、これを聞いた翔夜は、さて…どーするかと頭を悩ませるのであった、


「まずは…森を探索しよう、少なくともこの墓場よりは、いい穴場が見つかりそうだ、」


「え?この墓場から移動しちゃうの?、昨日【観察】でみたんだけれど、どうやらモンスターはこの墓場を避けてるらしいわよ」


「何?そうなのか?…それじゃ…いやだめだ、ここにいても食料が尽きるだけだ、しかもそのモンスターが避ける効果もいつまで続くか確証がない、」


「確かに……このままじゃ餓死してしまいそうだわ」


「そうだ、あとステータスにあったレベル、あれを上げるにはモンスターを狩ることがレベルアップに繋がる可能性が高い、だったら、僕らは森を探索し、弱いモンスターを見つけて倒すしかないだろう、」


「っ…そうね、ちょっと怖いけれど、頑張っていきましょう」


「そうとわかったら、冬季を起こさないとな」


そう視線を向けると、寝てるのかわからないが、墓に寄りかかった、大剣を突いた、


ツンツンツン


「あぁ…お姉さん…そこぉ」


ガツン!!


「っったああああ」


どうやらこの剣には制裁が必要ならしい、翔夜はもっと力を込めて、


ガツン!!!!!!


「ったいって言ってるだろおおおお!」


咆哮が響き渡る


「ん?江原、なんか聞こえたか?」


「いや別に何も聞こえないけど?何言ってるのよさっさと冬季起こしてちょうだい」


江原がそんな冗談を口にすると


「起きてるって言ってるだろおおおおおおおおおおおおおおおお!」


冬季の怒声が響いた


「あぁ…ごめん。気づかなかった、起きてるなら言ってくれよ!」


翔夜がわざとらしく言う


「いやいやお前ら絶対気づいてただろ!」


冬季が必死に罪を認めさせようとしてくる


「さぁ、なんのことだい?」


そんな冬季に対して、翔夜が少し笑みを込めて言う




今日も楽しくやっていけそうだ

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