第三話 地球?あるわけないやん
「まず聞かせてもらう」
翔太が真剣な表情で、そう言う、
「ここはどこだと思う?」
それは、今ここにいる三人が一番知りたいことだった。すると二人は
「「そりゃね、異世界でしょ」」
「はぁ、そう思った根拠はなんなんだ」
まるで、二人はもはやここが異世界だって確信してますレベルで堂々と答える。
「いやねぇ、どっからどう考えても異世界でしょ、あの魔方陣、この風景、極め付きこの体、地球?日本?そんなものとは思えないわ」
江原が、そんな自分の見解を話す、猫が喋ってる風景は、少ししっくりこないものだったが、現状として受け取るしかない。
「俺は、やっぱなんとなく直感かな、あんな現象あったあとで目覚めたとこが見知らぬ場所だったら誰だって異世界だって思うでしょ、特に今の若者達は、」
こいつは小説の世界を夢見すぎだったんだな、
完全に脳みそが支配されてしまっている、
「君たちは、ここが地球であるとは、考えもしなかったのか?」
「「まさかぁ」」
二人が声をそろえて言う、そうこの剣と猫、ここに転移した瞬間から、ここが異世界だと信じて疑ってない、逆に翔太は、まだここが地球のどこかだと信じている、まぁ可能性は0に近いが
「はぁ、確かに、現状ここが地球である確率は低いだろうな」
「「え?お前まだここが地球とか思ってるの?」」
翔太の希望を打ち砕くように、二人が声を合わせてそう言う、
「翔太、夢見るにはやめろって…ここは、もう異世界なんだよ」
ちょっとうざい雰囲気でそう言う冬季、
「地球?あるわけないじゃない、少なくともここは異世界よ」
偉そうに言う江原
この二人の解答を聞いた翔夜は、このメンツやっていけるか?と言う疑問を抱き、結果、無理だという答えに到達することができた、
「問題は、食料、水、ここがどこか、そして住む場所だな」
翔太がそういう、あれから3人でしっかり現状把握をして、今必要なことをしっかり話しあったのだ、とは言っても、真面目な案を考えられたのは翔夜だけだ、どこぞの冬季は俺をイケメンの人間にする方法、どこぞの江原は、絶世の美女になりたい、など、その度に翔夜が呆れたものだ…
「はぁ、一番の問題は食料…だな」
気づけばさっきまで明るかったはずの周りは、夜が近づいて来ていた、
「やっば、この墓場で夜過ごすのは嫌なんだけど」
「それは私も同感、絶対無理ね」
二人は墓で過ごすのが嫌なのか、猫の体を精一杯動かして、拒否の反応を示している、一方、剣は、動けないらしい、不自由な物だな、
「待って、もしここが本当に異世界だったらモンスターとかいるんじゃねえか?そしたらやばくね、こんないかにも雑魚そうな猫と鳥、勝てるわけないやん!」
「はぁ!?使い手もいない動けない剣がしゃしゃってるんじゃないわよ!その刃身!打ち砕くわよ!」
「確かに、もしモンスターのような物体がいたら僕らは死ぬかもしれない」
深刻な表情で、翔夜が言う、その様子に、二人が段々焦りが見えて来てしまった、騒ぎすぎて感じてなかったのか、隠れていた恐怖が段々表に出てきてしまっていたのだ、
「大丈夫、だよな?俺たち死んだりしないよな?なぁ翔夜!なんとかしてくれよ!」
「クッ!現状僕の体じゃどうすることもできない、もしモンスターと出会ってしまったら、高確率で、僕らは死んでしまうだろう、」
「そんな…?なんとかならないの?」
三人は絶望していた、さっきまであった好奇心が、全て絶望へと変化してしまったのだ、この先どうすればいいか、わかる者なんてこの中には誰もいなかった、
なんとか…、何か手はないのか…?
翔夜は頭を捻らせて考える、幼馴染を救うために、この三人で生き抜くために、
すると、冬季が何か閃いたように、こんなことを言い出した、
「異世界転生なんだから…?ステータスぐらいあるんじゃないか…?」
「「ステータス…!?」」
江原と翔夜が声を合わせたその時、視界の中に、光るステータスボードが現れたのだった
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