第十五話 路地裏③

 鍬と護衛の大男達の剣が衝突する、


カリアも体は鍛えて、それなりに大剣を扱っていた、そのため、たかが男爵家如きの護衛二人には遅れを取らない、


「ふん!!!!!!」


 二人の連携をうまく崩し、隙に入ろうとする、しかしカリアはまだ12歳だ、そんな力があるわけもなく、大男達に弾き飛ばされてしまう


「何だ?威勢が良かったのは最初だけか?鍬の振り方もなってないし下手くそだ、武術をまともにやったことないだろ」


 大男にそう言いながら突進してくる、別のやったことないのではなくて、才能が無いだけんですけどと心の中で答え、大男の剣を受け止める、だがカリアにはこの剣は重く、とても受け止められるようなものではなかった、


「くっ!」


 その隙をもう一人の男がすかさず着いてくる、カリアの腹に強烈な一撃が入る、


「ぐはっ!」


 カリアは後退する、お腹を抑え、咄嗟に吐きそうなのを我慢する、


「ハァハァ、」


「君、もういいよ!休んで」


 少女はカリアにそう言う、でも何故か足が前に進む、守らなきゃと思う、



 何故だろう


 知らない人なのに、



 カリアは前を向く、大男二人がこちらを見下してくる、


 あの目…あの目だ、、、


 先日の夜を思い出す、ガイアの自分を見下すあの目、あの目を踏み躙ってやりたい、あの目を潰してやりたい、あの目をくり抜いて殺してやりたい、、


 あぁ、、、殺したい、、あの穢らわしい物を見るような目を潰したい、、、



「いくぞ、」


 男はそう言うと、カリアとの距離をつけてくる、カリアは動かない


「君!逃げて!」


 少女の言葉も聞こえない、、


 カリアの目には、大男しか写ってなかった、、


 気に食わない、あの目が、、


 ぶっ殺す、、、、



 突如、視界が変わる




 後ろには、民がいる、そんなことを気にせず、俺は突っ込んで敵を殺していく、


 後ろでは、民を必死に守る男がいる、あの時の弟子だろうか、雰囲気が残っている、、、


 素晴らしい守護だ、自分の体に刃を触れさせてない、こいつがいるから、この男はこんなに攻めているのか、


 敵を切り刻、蹂躙していく、


 なんだろう、この男の剣筋、、、


 綺麗だ、、、


 殺すことに特化した、力技の剣術、、、


 不思議にもカリアはこの剣に魅了された、


 あぁ……殺したい、、、、、







 大男が目の前まで迫る、カリアに向かってその剣を振り下ろす、


 誰もがカリアの死を確信した


「あぁ、、、邪魔だ」


 だがカリアは、その剣を弾き飛ばした、


「!?!?なんだと」


 その事実に、その場にいた誰もが驚く


 たかが鍬で俺の剣を弾き飛ばしただと、、、

 いや、、、まさか!?


 大男はカリアを注視する、そしてあることに気がついた、


「くっ!お前!その年で魔力を扱うか!?」


 カリアが持っていた鍬には、魔力が纏っていた、


 カリアは前に飛び込む、そして鍬を振るう、男はそれを防御しようとするが、


 重たい!!!!!!何だこの重たさは、さっきとは力の伝わり方が違う!?


 男は、カリアの猛攻を防ぐだけで精一杯になる、すかさずもう一人の男が、アシストに入ろうと前に出てくるが、


「邪魔だ、」


 カリアの横凪一戦、アシストに来た男は咄嗟に防御したが。剣が砕かれる、そして男の脇腹にモロに入っていく、


「がハァハァ!!!!!!」


 男は吐血する、現状のヤバさに気づいたエムナイトは、声を張り上げた、


「何をしている!殺せ!」


 その言葉に合わせて、最後の大男が、前に出てくるがカリアは攻撃を止めない、


 くっ!こんなガキが!?こんな実力だと!?信じられない!?何でこんなガキが!!!



 戦場の雰囲気を纏うんだ!



 カリアは、男の頭に鍬を振り落とす、男はその一撃を守りきれず、頭に直撃し気絶した、、、


 ふぅと一息ついた、カリアはエムナイトの方に歩き出す


 エムナイトはカリアの実力を見て、恐怖した、


「くっ!くるな!訴えるぞ!俺は男爵だぞ!平民如きが調子に乗るな!」


 カリアはエムナイトを押し倒した、そして耳元に口を近づけ


「この紋章が見えるか?」


 ディーマリア公爵家の紋章を見せる、


「何だ、ふざけt、、、」


 するとエムナイトは、顔は青ざめていった、まさか自分の相手している少年が公爵家とは思わなかったのだろう、


「死刑がいいか?」


 カリアは、そう耳元で告げる、エムナイトは、体を恐怖で震わせ、失禁していた、


「ま、、、まっt」


 カリアは、エムナイトが恐怖しすぎて話にならないとと察し、


「これ以上あの少女に近づくな」


「は、、はひcい!」


 そう言い残し、少女を連れて路地裏を出た、



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