第八話 愚弄⓶
カリアは驚いた、自分が振り翳した鉄の棒が動かなくなったからだ、
そしてそれを止めた人物が自分の父親
ガイアだと知ったからだ、
「ふっ愚息が、無能なだけならいいものの、親にまで迷惑をかける気か?」
低い声がこの場に響く
「っすいません…」
カリアは完全に萎縮する、まるでさっきまであった闘争心は薄れていた、
ガイアはその青髪の自慢のごつい腕でかきあげながら、カリアを睨みつける、
そして腹に協力な蹴りを一発入れた
ゴン!!!!!!
鈍い音が鳴る
「ガッハァァァウエェェぇぇぇぇ」
カリアはこの一撃を貰って吐き出した…
「カリア!カリア大丈夫!?」
リアが咄嗟に駆けつけてくるが
「邪魔だ小娘、」
父の暴風魔法で、吹き飛ばされてしまう
父はぽっけに手を突っ込みながら、もう一発、またもう一発、、そしてまたもう一発、
何時間経っただろうか…
カリアはもうボロボロだった、
周りの貴族も、顔が青ざめていた、12歳の子供に大の軍人が、何発も休む暇もなく蹴り続けているのだ、もしかしたら死んでしまうかもしれない、
だが、それを止めることを誰もしない、
恐ろしいのだ、ただでさえ公爵家というのに、この性格、止めに入ったら何をされるかわからない、
だが、それを止められる人物が一人だけいた
「そろそろ終わりでもいいではないかガイア、」
それは現バルカントロル王国国王、
トレス・アーサン・・バルカントロルだった。
ガイアはすぐに跪き、謝罪をあげる
「申し訳ございません、国王様、うちの愚息が王太子殿に迷惑をかけたそうなので、」
話の話題になった王太子は、一部始終を見て顔が青ざめている、
シュニアも同様、恐怖で身を支配され、声も出すことができない、
「だからといってやろすぎであろう、死んでしまったらどう責任を取るつもりじゃ」
トレスの言葉に対して、ガイアは顔を顰める、どうやらそこについて何も考えていなかったらしい、
「そうだよガイア君、自分の子供に対して当たりすぎじゃないか、」
そう気安く声をかけたのは、赤髪の紳士系騎士男子だ、
「ふっそのような甘い考えでは、どうにもならぬぞビルマリアン」
「言ってくれるじゃないか、ディーマイル」
ガイア対抗するかのように言い返したこの男こそシュニアの父親で、現ビルマリアン公爵系当主、ヘルニア・ビイ・ビルマリアンだ
「だが喧嘩を先に売ったのはうちの息子の方だ、剣に手をかけたのはうちの方が早かったね、」
細い目をしながら口に手を当てそう告げる、
ガイアは、こいつのこのような態度が気に入らない、
「ふん、貴様が言うなら好きにしろ、ケニア!この愚息を別館に連れて行け!」
「はっ!」
ケニアと言われた専属騎士は、カリアの体を持ち上げ、走り去って行く、リアは気を失っていた、
「シュニア、わかってるね?」
父からの威圧を受けシュニアは、萎縮する
「申し訳ありません」
「君もガイアに蹴って貰えば?」
父からの冷たい一言にシュニアは押し黙る、
普段はにこやかなヘルニアだが、天才策士の二つ名を持つ、また厳しい時は本当に厳しく、体罰などは当たり前だ、
「まぁいっか、シュニア行くぞ」
そう言われてシュニアとヘルニアは歩き出す
貴族が次々と道を開ける、
そしてホールの扉から姿を消した、
「アガニスタ、来い」
王太子も呼ばれて体を震わせながら、国王の元へ行く、
「ふっカリアか、なかなかな餓鬼だったな」
国王のこの一言は、アガニスタの耳にも入らなかった、
痛い、なんだ、体中が痛い、、、
何があったんだ、、、
腹に剣が突き刺さってる…
はぁはぁ…痛いよ
「はぁ!!!!!!」
ここでカリアは目が覚めた、
「はぁはぁ…なんなんだ今の夢は、、、」
カリアは自分が見てた夢の君の悪さに嘆く
そして、周りを見渡し自分が移動してることに気づく
「ここは、馬車か?」
カリアは馬車に乗っていた、ケニアがあの後馬車にカリアを乗せ、別館まで向かっていたのだ。
「あれ、体が、治ってる!?」
誰が治してくれたかわからないが、カリアの体は回復していた、
わからないことが多いまま馬車は進んで行く
大体20分ぐらい経っただろうか、
いきなり馬車が止まり、扉が開いた
「降りろ」
そこには、ガイアが立っていた
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