第一話 無能の少年

 ここは、バルカントロルという国だ、この国では、国王がおり、その国王から、公爵、侯爵、男爵、子爵と言ったように貴族がいる、


 その中のディーマリア公爵家、代々協力な魔法使いや剣士を輩出していて、そこに生まれる子供は全員天から選ばれし才能を持っているとされていた、、


 長男ロベリクス・ユウ・ディーマリア

 17歳


 火属性と光属性を自在に操り、その二つを複合し、熱魔法を得意とする、なお剣の才能にも恵まれており、その実力は剣だけで同世代トップレベルだろう


 長女ネア・アン・ディーマリア

 18歳


 光属性の上位魔法、聖属性を得意とし、この年でありながら、神聖魔法に手を届けようとしている、まさに次世代の聖女と言われるのに等しい存在だ、


 次男フーゴ・デンク・ディーマニア

 16歳


 槍の屈指の使い手、槍聖とも言われるレベルで、自ら戦場に赴くほどの戦闘狂、そのことから兵士などから評価が高い、


 次女ニニア・ガーム・ディーマニア

 16歳


 氷魔法、水魔法の使い手、その性格は冷たく、惚れた男の告白を全て心を叩き折るかのように振るという、実力もトップレベルであり完璧な存在だ


 そして三女レノア・リア・ディーマニア

 11歳


 炎魔法、地魔法、嵐魔法と3属性上位魔法の使い手、賢者の卵とも言われるほどの神童、その期待は大きい、




「ぼっちゃま、あなたは、その由緒ある家系の中の一人なのです」



 そう告げられた僕は、はっきり言って実感が湧かない



 三男カリア・ノウ・ディーマニア

 12歳


 評価は無能、武器を握ってもピカイチ、魔法もダメ、勉学もまぁまぁ、強さが全ての我が家にとっては最悪の評価だ、



「もっとしっかりして頂かないと困ります」


「すいません」


 感情がこもってない声でそう言う


 メイドはやれやれと言った顔でこっちを見てくる、


「別館で閉じ込められてるゴミが」


 そう告げて出て行ってしまう。


 僕は悲しくなった、でもしょうがない、これが今の僕の評価なんだから、


 僕は小さい頃からこの待遇だ、飯はスープぐらい、家族には近づけてもらえず、近づいたとしてもゴミを見るような目で見られる。メイドも一人いるのだが、僕を心底嫌っているようだ。


 僕も、努力はした、体を鍛えて、勉学もして、武器も色々扱った、どれも最初はある程度できるのだが、結局極めることはできず、初歩的な程度で終わってしまう。


 だが鍛えたことはしっかり功になっていて、体は出来上がっており、魔力も人より数倍近くあることがわかった、



 それでも、扱う才能がない、宝の持ち腐れってやつだ、自分でも恨むよ、



「勉強でも、しよっかな」



 そうして僕は、心無しか、この暗い部屋で勉強を始める、



 30分ぐらい経っただろうか、いきなり窓が開いた。そしてかわいらい声が部屋に響き渡る、



「兄様!今日もきましたよ!」



 それは、妹のレノアによる仕業だった。


この少女はレノア、何故か無能の僕の相手をしてくれる唯一の家族だ、髪型は茶髪のショートで黄色の瞳、童顔で低身長、肌は白く将来美人になるであろう、他の家族は、小さい頃一回であってくらいで良く覚えていない、


「兄様!今日も勉強してらっしゃるんですか?」


相変わらず元気だなと思いながら、


「あぁそうだよ、」


「私もします!!!!!!」


「そっか、こっちおいで」


レノアは僕の隣にやってきて一緒に勉強を始めた、レノアは将来が約束された才能を持つ魔道士だ、はっきり言って僕のような無能が関わってはいけない、でもレノアは毎日僕に会いに来てくれる、家族と会うことは禁止されてないが、別館から出ることはできず、家族も会いにはきてくれない、レノアだけだろうこんな事をしてくれるのは、



1時間ぐらいが経っただろうか、


「兄様!また来るね!」



レノアは元気に窓から出て行った、騒がしいやつだ、


一人になると俺は中庭に出てトレーニングを始める、無能とは言われるが、体を鍛えることに無駄はないと思っているから、ランニング、素振り、魔力操作などまぁ酷い様なんだけど、


使用人なんてこっちみて笑ってるよ、



僕も兄様達みたいな才能があればなぁ、





人汗かいて湯に浸かる、普通なら使用人がいるが、僕にはこない、まぁ僕だしな、服を脱ぐと、体中あざだらけだ、これは父から受けた物であり、散々叩かれた、俺に使い道がないことがわかると、捨てたわけだ、




「寂しいな」




ボソリと言う




「ママ…寂しいよ、、、」




涙が出始める、




お風呂から出たら本を読む、もしかしたら魔力をうまく扱えることができるかもしれないと淡い期待を抱きながら、父様に褒められたいと思いながら、




何分何時間経っただろうか、ちっちゃい炎しか出てこない、蝋燭程の小さい炎、まるでカリアの心の炎のように消えかかっている、




「母様、僕頑張ってます…」



カリアの母は、体が弱く、カリアが5歳の時に亡くなってしまった、名前はわからない、そこに記憶だけ抜け落ちているのだ、だから母様と呼んでいる、



しかし、とても優しい方であったと言うことは覚えている、だから尊敬している。



母様は回復魔法がすごく上手で、素晴らしい人だった、いつも心配してくれて、声をかけてくれた、



「ゆっくり、あなたのペースでいいのよカリア、あなたならきっとできるわ、、」



この言葉を忘れずに、僕は今でも努力を続けている、体を限界まで追い込みスタミナを増やして、魔力の操作も頑張って………



「もう、、やめよっかな、、」


暗闇に響く一言


カリアの炎は消えかけていた




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